"塗料だけに特化"した展示会、思わぬ反響

「地元でこんな展示会を開いてくれて嬉しい」と反響を呼んだイベントが11月16日、秋田県大仙市の仙北ふれあい文化センターで開かれた。秋田県の塗料ディーラー・ささき(佐々木靖彦社長)が開催した「Good Paint EXPO」だ。"塗料だけに特化"して開いた同社初の試みに、「塗料の進化や最新情報、奥深い世界を改めて知ることができ、仕事の可能性が広がる」(建築塗装業者)と来場者も絶賛。塗料ディーラーの役割の新たなかたちを示した。


ささきが開催した「Good Paint EXPO」は、"塗料だけに特化"した展示会だ。塗料販売店でよく見かける塗装用具や副資材などの展示即売をメインとした展示会とはかなり趣が異なる。塗料に特化したイベントだから、塗料の象徴でもある「色」とからめ、11月16日の「いい色の日」に開催日もこだわった。

同社も、塗装用具や副資材を含めた展示即売会はこれまでにも開催してきたが、"塗料だけに特化"した展示会は今回が初の試み。
佐々木靖彦社長は、「塗料も次々と新しい製品が発売され、お客様も知らない情報が増えていると思う。特に安全安心、健康、快適機能などコロナ禍を経て変化した市場のニーズや価値観に響く塗料を多く知ることで、お客様の仕事に役立つはず。だから塗料の情報だけに集中していただきたくて、このようなかたちにした」と趣旨を説明。 

このため塗料メーカーにも、安全安心や健康、快適、機能性などの付加価値製品に絞って出展してほしいと要請、賛同した20社が集結し、「Good Paint EXPO=優れた塗料の博覧会」が開催された。
同社が今回来場の呼びかけをしたのは、建築塗装などの塗装ユーザーばかりでなく、地元の工務店や設計事務所、更に役所の防災担当者など幅広く声がけをした。「エンドのお客様に近い方々に塗料に興味を持ってもらうことで"優れた塗料"が市場に広がる」(佐々木社長)からと説明。

開催情報を見て来場した設計士は、「塗料のことを知っているつもりでいたが、しっくい塗料が空気を良くするだけでなく、ウイルスへの速効性があることまでは知らなかった。外部でも使える床用の防滑塗料も初めて知ったが、雪国のこの地域では必然性も高い。設計に際しての引き出しが増えた」と納得の表情だ。

また、今回の展示会に際して、地域の役所の防災課に来場を呼び掛けたのは、防災・BCP用途の抗菌・抗ウイルス製品の紹介セミナーを会場内で行ったから。関西ペイントのアレスシックイを応用した抗菌・抗ウイルス段ボール製簡易トイレを同社・東北販売部の育村芳英氏がプレゼン。災害時に向けた備蓄やBCP対策品としての同簡易トイレの有効性に関心が寄せられた。

同じくセミナーでは日本ペイント色彩グループの池田麻紀さんが「今、お施主様が求められる"色"の提案術」と題してプレゼンを行った。「マンションなどと異なり、自由に色を楽しめるのが戸建て住宅の特権。色の魅力でお施主様の満足度を高めることができます」と話し、配色方法など色彩のプロのスキルを伝授。「色」で塗り替え工事の付加価値を高める視点に切り込んだ。

塗料ディーラーの役割 改めて確認

今回の展示会で印象に残ったのは、やはり塗装業者の声だ。
ささきとも取り引きがあるという建築塗装業の経営者は、「塗料販売店さんが開く展示会は、塗装用具や副資材の販売がメインで塗料はそのついでといった感じだったが、これだけ塗料をがっつり見られる展示会は珍しい。知らなかった塗料も多くあり、勉強になった。展示即売会のように商品を買わなくて済むので、そちらに気を取られることなく塗料だけをじっくり見られた」と満足気。

また、建築塗装業の別の来場者は、「『この場合はどのような使い方がいい?』など、塗料メーカーの担当者と突っ込んだ話をできるのがいい。ネットやカタログでは得られない生の声、貴重な情報が得られる」とダイレクトにコミュニケーションできる点を評価。

更に、「サイディング用のクリヤーもメーカーによって個性が違うことが分かった。施工時間やコスパなどを比較でき役に立った」「いつも新製品を使うときは少し不安があるけど、詳しい説明を事前に聞けることで抵抗感がなくなり、使ってみたくなる」など、塗料に特化した展示会だからこそ深い情報が伝わっていたようだ。
"塗料の情報"を伝える塗料ディーラーの役割を改めて印象付ける展示会となった。



午後だけの開催で200人が来場.JPG
午後だけの開催で200人が来場.JPG
熱心に質問する光景が広がった.JPG
熱心に質問する光景が広がった.JPG

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