日本ペイントはアジアを舞台に色の力で社会に貢献する。日本ペイントグループが開催する学生国際建築デザインコンペティション「AYDA Awards 2024」(AYDA)と、アジアをまたぐカラーデザインコンテスト「Creative Colour Awards 2025」(CCA)の授賞式を6月20日に東京・品川区のWhat cafeで開催した。日本ペイントホールディングスの取締役代表執行役共同社長の若月雄一郎氏は「次世代のビジョンを持つ人々が、私たちの暮らし方を再定義するこのムーブメントを日本ペイントが支えていることを誇りに思います」と述べ、塗料メーカーとしてアジアの若者支援に意義を見出している。
AYDAは日本ペイントホールディングスグループがグローバルで開催する建築・デザインを学ぶ学生向けの国際建築コンペティション。2008年にマレーシアでスタートし、当初はわずか87名の応募者だったが、17年目を数える今年はアジア16カ国・地域から8,000件を超える学生の応募があるまでに成長している。日本は2013年からジョイントし今年で12回目の開催となる。
授賞式で登壇した若月社長は「AYDA Awardsを通じて学生を支援し成長を後押しすることで、デザインの未来を創造し、将来の世代に向けて前向きな変化をもたらす、より強固で持続可能なコミュニティを構築することを目指しています。AYDA Awardsはイノベーション、持続可能性、文化やレガシーをめぐる対話を呼び起こします」とあいさつした。
NIPSEA GroupのグループCEOで、日本ペイントホールディングスの取締役代表執行役共同社長のウィー・シュー キム氏も登壇し「AYDA Awardsは、デザインが社会の成長の原動力になると確信する日本ペイントにとって不可欠なもの」との見方を示した。
今年は、Mike Huang氏(中国)が建築部門で、Adelia Meysa氏(インドネシア)がインテリアデザイン部門で、それぞれAYDA年間最優秀デザイナーの栄誉に輝いた。両者にはアメリカ ハーバード大学デザイン大学院で、全額支給による3週間の没入型学習プログラムに参加できる賞(賞金総額は最大1万米ドル相当)が贈られる。
また、日本からは柏﨑健汰氏(東京都市大学大学院総合理工学研究科)が「日本ペイントカラー賞」を受賞、賞金1,000ドルを獲得した。
コンペティションに参加することで、アジア各国の学生たちが国をまたいで同じ課題に取り組み、厳しい選考プロセスを経る。
日本ペイントの上席執行役員・マーケティング本部長の藤原三也氏は「AYDAを経て建築家として海外で活躍することもあります。最優秀賞受賞者はハーバード大学に行けることも大きなモチベーションになります。それとは別に、日本から見たときに、海外の学生さんと知り合えること、審査員の方は著名の方ばかりなのでその方たちとの接点があります。グローバルで同じ仲間との接点が生まれ、そこからインスピレーションを受けて前に進んでもらえれば喜ばしいことです」とサポートする立場としての思いを語る。
一方、CCAは日本ペイントのアジア14カ国・地域のグループ会社を横断し開催されるカラーデザインコンテストとなっている。世界中の建築・インテリア・空間デザインプロジェクトにおいて斬新な色彩表現を称える舞台として、各部門の優秀賞及び全部門から最優秀賞が発表される。今回、日本の建築家である西久保毅人氏(ニコ設計室)がインテリアデザイン部門で受賞した。
今回初めて審査員を務めた町田ひろ子氏(町田ひろ子アカデミー校長)は「スケールが大きくびっくりしました。これから成長していくアジアの国々において、先行的にこのような取り組みでファンを作っているのはすごい。皆さんにも言ったのですが、伝統的なコスチュームから探求すればアイデンティティが生まれると思います。日本ペイントがこのような活動で、塗料や塗装を普及していくエネルギーをすごく感じました」と印象を語った。
昨年の受賞式はインドのホテルで開催され、今回は都内のカフェが会場となった。その理由について藤原氏は「AYDA、そしてCCAは当社の色の力で社会に貢献するというところからスタートしており、今回、日本のミニマムなデザイン性やシンプルスタイルでジョイントしたいと考えた」と説明。
会場では民族衣装などで装いをこらした関係者が写真を撮ったり交流したりして授賞式の雰囲気を楽しむ様子があちこちで見られた。
日本ペイントはAYDAやCCAといたカラーアワードを通してカラーの魅力を生かし社会とのコミュニケーションを高めていく。