菊水化学工業はこのほど、ゼネコン大手のフジタと共同で、内装向けの脱炭素塗料「ジオアース300Fクリーン」を開発、上市した。原料由来のCO2を50%削減する環境負荷低減に加え、消臭性、防カビ性に秀でた特性を持たせることで室内空間の居住性を高めた。低炭素な建物づくりが進む建設業界にアピールし、普及を目指す。

発売した「ジオアース300Fクリーン」は、従来のEP塗料と同様、室内の壁や天井に塗布する内装向け塗料。低炭素化素材として注目されているジオポリマーを初めて塗料に適用した「ジオアースシリーズ」の新グレードだ。同シリーズは原料由来のCO2を2分の1削減する脱炭素塗料として開発、グリーンビルディング化が進む建設業界に向けてアピールを強めている。

この環境負荷低減に加え、今回のフジタとの共同開発では、特に消臭性と防カビ性に秀でた内装塗料とした。建物の高気密化や気候変動による多雨化など臭いやカビの問題が増加しており、その問題解決を図る塗料として説得力を持たせた。

消臭性に関しては、市販の消臭性塗料と比較して10倍以上の消臭性能を確認。防カビ・抗ウイルス性能は、市販の抗菌塗料と比較して大幅な防カビ効果の向上を確認し、バクテリオファージを用いた抗ウイルス試験において99.9%の不活性化が確認された。

新製品は、新築工事だけでなく、EPの塗り替えやビニールクロス、打ち放しコンクリート面などの壁面、岩綿吸音板など天井の塗り替えにも適用。専用下塗材を併用して自在なテクスチャー仕上も可能だ。淡彩系を中心に基準色5色を揃えた。住宅や高層マンション、医療や老健施設、ホテル・宿泊施設、オフィスビルなど新築・改修需要の開拓を進める。