菊水化学工業は愛知県瀬戸市に東海工場を竣工し、13日、取引先関係者など約100名を招き内覧会を行った。
東海工場は国内5カ所目となる生産拠点で同社として初の溶剤型塗料専用工場。「弱溶剤を含む溶剤系製品が根強い需要を抱えていることから、内製化に着手することで建築総合塗料メーカーとして競争力が高められると判断した」(同社担当者)と工場設立に踏み切った。当面は、現在約10%程度にある同社の溶剤系塗料比率を市場平均とされる約25%程度に押し上げていく構え。屋根用塗料や鉄部向けの需要拡大に期待する。

東海工場は、瀬戸物、珪砂の生産地で知られる瀬戸市に立地。春日井市、小牧市に近く、物流面の利便性に優れる他、県内に配備する各務原工場、犬山工場とのアクセスにも配慮した。敷地面積は約4万9,000㎡、建屋面積は約2,400㎡。森林に囲まれた同地に、事務所棟、製造棟(2階建て)、調色棟、倉庫(溶剤倉庫、一般倉庫)、出荷所を設置。溶剤系塗料の基幹工場となる。生産能力は年3,000トン。

工場内は、随所に最新鋭の設備を導入した。前練り工程を行うタンクは、ロードセルにより計量しながら正確な原材料投入を実現。ミルは、配管を経由するボールミルと、前練り・混合を1工程で行えるバスケットミルを設置。少量多品種対応にも備えた。また「量が少なくなることはない」と0~+40gの精度を誇る自動充填機など、コンパクトながら機能的な工場となっている。

その他、ミネラルターペンと洗浄シンナーを一時保管する屋外貯蔵タンクには、必要箇所に必要量を放出できるシステムを採用した他、全建屋の避雷針を地中式とし安全性も配慮した。

操業は準備が整い次第、生産を始め、生産品目を拡大していく計画。基本的にはベース塗料と硬化剤を含めたクリヤー系を生産し、調色は各工場で展開していく意向。既存工場との全体最適を図ることで、生産効率の向上につなげていく考えだ。