日本ペイントは10月15日、可視光応答形光触媒を採用した水性塗料が新型コロナウイルスを不活性化させる効果を確認したと発表した。

今回の実験はガーナ大学医学部附属野口記念医学研究所との共同研究の一環。実験ではガラス表面に接触させた新型コロナウイルスと、塗膜表面に接触させた新型コロナウイルスを比較。結果、ガラス表面に対して、塗膜表面に接触させた新型コロナウイルスが99%以上減少する効果を確認した。

同社では「本実験は実験室で行われたものであり、結果は実商品や実使用環境での効果を示すものではありません」としたものの、新型コロナウイルス不活性化の効果を得たことで需要が高まる抗菌・抗ウイルス製品への展開を進めたい考え。

実験結果に対する有識者のコメントとして東京農工大学国際家畜感染症防疫研究教育センター長の水谷哲也氏は「室内に付着した新型コロナウイルスへの対策は、アルコールや洗剤などの消毒薬が有効と言われている一方で、アルコールや洗剤で定期的にふき取る必要があります。今回の実験結果により、不活性効果が確認できたことは、塗膜表面に機能を付与する技術として今後の活用に期待できます」と所感を寄せた。同社では引き続き研究開発を進めていくとしている。