塗料業界向けWEBサービスを展開するEngo(本社・東京都品川区、社長・藤井友輝氏)は9月下旬、塗料販売店向け販売管理システム「Paintnote(ペイントノート)」を正式にリリースした。

同社は、投資家から出資を募り上場を目指すスタートアップ企業として昨年7月に設立。9月にはスタートアップ業界3大カンファレンスの1つである「ICC」の「スタートアップカタパルト部門」に選ばれ、業界内外の注目を集めている。

同社が目指すのは、製販装を横断するWEBサービスの開発。アナログを色濃くする塗料・塗装業界のシステム開発を成長ビジョンに据え、1年のフィールドテストを経て塗料流通の中核を担う塗料販売店向けシステムを開発した。

「Paintnote」は、サーバーなどの設備導入を不要としたクラウド型販売管理システムで、発注書や出荷証明書発行依頼書への転記をすべて自動化した他、受注簿、発注簿を電子化し、発行書類の一元管理を可能にしたのが特徴。スマホやタブレットにも対応し、外出先からの売値及び過去履歴の確認が可能。新入社員でもすぐに使えるよう操作性、検索機能にもこだわった。

設備導入がいらないため、料金体系は初期費用なしの月額料金制を導入。同社にとっては、解約の流動性を高めるリスクを抱えるが、「それだけにサポートサービスが重要になる」とし、代理店政策は取らず、ユーザー個々のサポートサービスで顧客満足度の向上の獲得を目指す。 

その一方で、塗料販売店と塗装ユーザーをつなぐクラウド型受注発注システムの開発も開始した。現場ごとの発注情報や納品日通知などの機能を搭載し、電話、FAXで行っている受注業務を自動化するのが目的。「Paintnoteと連動させることで、より塗料販売業務の効率化に寄与すると考えている」と年内の完成に向け、先行ユーザーの募集を行っている。