関西ペイントは、Spiber(本社:山形県鶴岡市、取締役兼代表執行役:関山和秀氏)と、構造タンパク質を用いた塗料分野の新素材、新技術の開発に向けて投資契約を締結した。同時にSpiberが実施する第三者割当増資の引き受けにより、同社株式を取得したと発表した。

これまではサーキュラーエコノミーの実現に向けてそれぞれ事業活動に取り組んできたが、共同研究を行うことで実現に向けた歩みを加速させる。

関西ペイントがこれまでの塗料開発で培ってきた技術に、Spiber独自の技術プラットフォームと開発・生産を行う人工構造タンパク質素材「Brewed ProteinTM」を融合させることで、新素材及び新技術の開発と実現を目指す。

バイオテクノロジーのベンチャー企業であるSpiberが開発する「Brewed ProteinTM」は原料に石油や動物素材を使わず、植物由来のバイオマスを使用して微生物発酵プロセスによって作られている。
更に分子レベルから材料設計を最適化できるSpiber独自の技術プラットフォームにより、Brewed ProteinTM素材はさまざまなアプリケーションへの活用が可能。カシミヤやウール、シルクなどの動物由来の天然繊維や、化石燃料由来の合成繊維、樹脂、合成皮革、接着剤、乳化剤、機能性フィルムなど既存素材の新たな選択肢となり得る他、代替肉などの食品分野、生体適合素材などの医療分野での活用も期待される。

また、「Brewed ProteinTM」素材は環境分解性を有するため、最終製品の設計によっては、化石燃料由来の製品が発生原因であるマイクロプラスチック排出問題の解決への貢献が見込める。

関西ペイントは「Brewed ProteinTM素材は、従来の動物由来、化石燃料由来の合成素材に代わるソリューションであり、また、従来の植物由来の素材にはない特性を付加することも可能」との見方を示し、新素材として期待する。