塗装ボランティア、1,000社実現に活動体制を再編

塗装ボランティア団体の塗魂ペインターズは10月t5日、新型コロナウイルスの感染拡大に配慮し、オンライン形式で全国会議を開催した。当日参加したのは、会員、協賛メーカーなど約200名。会員数は20社増の203社となり、昨年表明した2030年の1,000社構想に向け、着実に組織規模の拡大を続けている。


冒頭あいさつした宮嶋祐介会長(ミヤケン)は、「2020年はまさに激動の年となりました。世界に猛威を振るう新型コロナウイルスによって、当会は年内活動自粛という苦渋の決断をしました。それでも早く活動を再開してほしいとの要望が多く寄せられており、我々としても活動の歩みを止めるわけにはいきません。当会には、2030年には会員数を1,000社にするというビジョンがあります。決して数だけが重要ではありませんが、1,000社という規模が社会貢献という信念を持った団体として浮かび上がるとの期待があります。今は我慢の時期ですが、自粛期間だからこそできることに集中して個々の力を蓄え、活動再開の日を心待ちにしたいと思います」と述べた。

この日、同会はボランティア活動の主体となる地区割の変更を発表。これまで全国できめ細かいボランティア活動を展開するため、会員数に応じて北海道、東北、関東、神奈川、中部、静岡、関西、中四国、九州の9地区に分けていたが、「活動頻度を高めるとともに、会員の増強、新会員のサポートを徹底するためにも地区を分けるのが適切と判断した」(事務局)と関東地区の分割を決定。関東地区を解消し、新たに北関東(地区長・森隆幸氏=森美装)、千葉(熊井一仁氏=協伸)、埼玉(小池優太氏=小池塗装)、東京(田中洋介氏=アーチテクター誉)の4ブロックを設立し、活性化につなげたい考えだ。

共感高めるボランティア

塗装による社会貢献を理念とした同会の存在は、「塗装を通じて社会の役に立ちたい」という経営者の"想い"を誘引。加えて、利害のない組織体が会員同士の親睦を活性化し、個々の会員にとって唯一無二のものにしている。

そうした同会の魅力は、ボランティア塗装に集約されている。

深港洋人氏(フカミナトリフォーム)は、昨年12月に行った宮崎県都城市立上長飯小学校のボランティア塗装の事例を報告。23年前に卒業制作としてアートが施されたプールの外壁を同校の6年生が再び卒業記念として再塗装した。

児童たちは、一切の費用を取らずに丁寧に指導し、作業を進めるメンバーの姿に感銘を受けた様子。「児童たちから送られてきた手紙に『塗魂ペインターズの皆さんのような大人になりたい』の文を見た時は、嗚咽が止まらなかった」と深港氏。ボランティアを通じて得た出会いやメンバーとの共同作業が同会の魅力を高めている。

それだけに実質的な交流が持てない1年の活動自粛は、消化不良の感が否めないところ。会議後は"オンライン懇親会"に名を変え、互いの親交を深めた。

なお、来年の全国会議は10月5日、高知で開催することが決まった。



画面越しに激励を送る宮嶋会長
画面越しに激励を送る宮嶋会長

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