2021年度から向こう10年間の国の住宅政策の方向性をまとめた「新たな住生活基本計画(全国版)」が3月17日、閣議決定された。気候変動問題やコロナ禍を契機とした多様な住まい方、自然災害が頻発・激甚化するなど住生活をめぐる現状と課題を踏まえ、3つの視点から8つの目標を設定、計画に沿った施策が総合的に進められていく。

このうち、リフォーム事業と関連する「住宅ストック・産業の視点」では、既存住宅流通の活性化を掲げた。2020年までの現行の計画では、既存住宅の流通とリフォーム市場を合わせて20兆円規模に拡大する目標が掲げられたが、現状は12兆円程度にとどまっている。このため既存住宅の情報が購入者に分かりやすく提示される仕組みの改善(安心R住宅、長期優良住宅)を行って購入者の安心感を高め、中古住宅の流通を促していく。中古住宅とリフォームを合わせた市場規模を現状の12兆円から2030年に14兆円に拡大する成果指標を掲げた。住宅性能に関する情報が明示された住宅の既存住宅流通に占める割合も現状の15%から2030年度は50%に高める。