水谷ペイントは3月1日、建築用塗料の新ブランド「ナノテクシリーズ」を発売した。2月15日から3日間にわたり「2023年度WEB新製品発表会」をYouTubeで配信し、新製品のブランドコンセプトや特徴について解説した。

「ナノテクシリーズ」は水系1液型を中心とした屋根用塗料、外壁用塗料共通の建築用塗料シリーズ。ナノレベルで塗料設計を施す独自のナノテクノロジー技術に加え、塗膜の劣化要因となるラジカル制御技術、端部の膜厚をしっかり確保するレオロジーコントロール技術を駆使した。

最大の特長は、塗料性能を示す耐候性などの表現をあえて避け、耐久年数を明示した点。「耐久年数を保証するものではないが、高耐久性や高耐候性といった言葉でなく、具体的に年数を示すことが選びやすいと考えた(担当者)と説明。シリーズ8製品の名称には、期待耐用年数を盛り込んだ。

今回、発売したのは、「ナノウォール20」「ナノウォール15」「ナノウォール10」の外壁用3製品と「ナノルーフ20/20遮熱+」「ナノルーフ15/15遮熱+」「ナノルーフ10」の屋根用5製品。

20タイプは無機系フッ素樹脂塗料、15タイプはハイグレードナノシリコン樹脂塗料として高級ニーズに対応。屋根用塗料の耐久性能を外壁用塗料の倍程度に高めることで、屋根、外壁双方の塗り替え時期を合わせやすくした。

特に同社がアピールするのが、廉価ニーズに応える10タイプのラインアップ。「価格は抑えつつ、ナノシリコンテクノロジーとコアシェル効果により性能は一般シリコン樹脂塗料と同等以上を確保した」とコストパフォーマンスの高さに自信を示す。カタログや色見本帳も外壁、屋根と共有でき、高級志向から廉価志向まで幅広いニーズに対応する。今後の展開について「市場動向を見ながら、弱溶剤、2液タイプも視野にある」とコメント。製品ラインアップの拡充に意欲を示した。

この他、発表会では除菌・抗菌・消臭スプレー「ACスプレー」(SIAA抗菌加工認定取得)を紹介。樹脂と特殊光触媒を配合した効果の持続性とアルコールで簡単に除去できる利便性を強みに販売展開を積極化する。