春の塗装シーズンに向けアクセル、期待の新製品投入

関西ペイントは建築用塗料分野で攻勢をかける。市場のボリュームゾーンの住宅塗装分野へ向けた主力ブランド「アレスダイナミックシリーズ」に、"遮熱"と"美観維持"で特徴づけた外壁用塗料2製品を新たに追加、差別化を図る。「アレスダイナミックTOP遮熱」「同クリーン」として1日から販売を始めた。加えて、夏場の塗装作業に有効なリターダー兼洗浄剤の「水性アジャスト」も同日付で上市した。特徴的な製品で独自性を打ち出し、攻勢に出る。


コロナ禍が明けて以降、住宅塗装市場が低迷している。旅行やレジャーなどへの消費の分散と物価高の影響でリフォーム需要が減退、「戸建て住宅の塗り替えを中心とした町場の塗装市場が冷えている」というのは、塗料メーカー各社の共通した見方だ。

そうした中、関西ペイントは住宅塗装市場向け建築用塗料の主力ブランド「アレスダイナミックシリーズ」を強化し、需要を刺激する。同シリーズは4つのラジカル制御技術による高耐候性を強みとし、2015年の発売以来市場に浸透。外壁だけでなく屋根、軒裏など22のシリーズ品を揃える。ここに新たに、「アレスダイナミックTOP遮熱」と「同クリーン」の2つの外壁用塗料を追加、1日から販売を始めた。

「アレスダイナミックTOP遮熱」は、昨年夏に発売した屋根用遮熱塗料の「アレスダイナミックルーフ遮熱」の外壁バージョン。「ダイナミックシリーズに"遮熱"を加えたことで、屋根用塗料の販売が10%以上伸びた」(担当者)とのブランドへの自信から、外壁用塗料としての「同TOP遮熱」も上市、ブランドの波及効果を見込む。

住宅の施主など市場へ向けたセールスポイントとしては、光熱費削減や快適性向上など遮熱機能のポテンシャルに加え、「遮熱塗装によってサイディングなど外壁の基材自体を熱のダメージから守り、住宅の耐久性向上や長寿命化に貢献する。猛暑や酷暑が続く近年の気候から、体感的に理解して頂けるのではないか」と説明。上塗りと下塗りのダブルブロックによる優位性を打ち出し、外壁にも遮熱塗装を根付かせていく。上塗りの「アレスダイナミックTOP遮熱」は、容量15kgと4kg、標準色は28色で、つや有・5分つや・3分つやを揃えた。下塗りの「同シーラーアクア白」は、容量15kgセット。

また今回、上塗りの「アレスダイナミックTOP」に、"美観の維持"をプラスした「アレスダイナミックTOPクリーン」を追加した。
同品は、ばい煙やホコリ、PM2.5などの粉じん汚れと、カビや藻などの微生物汚れを強力に抑制する独自の「複合形汚染防止技術」を導入した上塗り塗料。外壁の「美観の維持」に突出した性能を発揮するため、建物の資産価値向上を打ち出せる塗料だ。容量は15kgと4kg、標準色35色、つや有り、5分つや、3分つやを揃えた。「ダイナミックシリーズの強化拡充により、低迷している住宅塗り替え市場を活性化していきたい」(同)と意気込む。

現場の困りごと解決する新製品

一方、「塗装現場の困りごと解決」へ向けて、水性塗料用の希釈剤・洗浄剤の「水性アジャスト」を同じく1日に発売した。

特長としてまず挙げられるのが、塗料のリターダーとしての効果。同品で水性塗料を希釈することで、水で希釈したときの倍程度まで乾燥を遅らせることができる。特に近年、「夏場は塗料の乾燥が速すぎて作業に支障をきたす」(塗装業者)との声が多く聞かれており、こうした現場の困りごと解決に有効。同品で乾燥を遅らせることで作業性や仕上がり性の向上、厚膜時の表面のワレを抑制するなど塗装作業に直接的な効果が得られる。

2つ目のポイントは、刷毛など塗装用具の洗浄のしやすさと腐敗防止効果。同品を洗浄液として使用した場合、水道水やラッカーシンナーなどの洗浄に比べて、水性塗料の相溶性や溶解性が高いため、塗装用具の洗浄が楽になる。洗浄後の刷毛の浸け置きでも腐敗を防止し、刷毛やローラーの現場での使用サイクル改善に貢献する。

そして3つ目は保管が容易な「非危険物」という点。成分は溶剤でありながら消防法における危険物に該当せず保管も容易になった。水性塗料のリターダー兼洗浄液として現場で重宝しそうだ。容量は15kg。
「塗料の付帯製品ではあるものの、現場の困りごとや仕事のしやすさに目を向けていけば、塗料メーカーとしてお手伝いできる部分がまだまだあると思う。現場視点での製品開発に重点を置き、市場の支持を獲得していきたい」と、シェアアップを狙う。



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