高耐久性、美観性を特長とする石粒付ジンカリウム鋼板屋根材「D's Roofing」を展開するディートレーディング(本社・東京都中央区、社長・高木強氏)。数年前から塗装業者の工事品目に同品によるカバーもしくは葺き替えを追加してもらおうと、塗装業者に対し提案活動を積極化している。

理由は、施主と塗装業者の関係の深さにある。
「当社としては、築後の住宅に最も関わる専門工事業者が塗装業者さんだと認識しています。塗り替えを通じ、施主と親密な関係を築いている塗装業者さんと協業することで、改修分野での展開を強められると考えました」(高木社長)と話す。

同社としては、塗装からの置き換えを狙ったものではなく、あくまで想定するのは、塗装ができない場合の屋根の安全担保としての工法提案。
基材の劣化が著しく、再塗装ができない際の工事メニューとしての採用に期待する。実際の工事に関しては、同社と協力業者がサポート。塗装業者にとっても塗装以外の工事が請けられるとあって、徐々に採用を増やしている。

現場の要望に応え、即座に商品化

そうした中、同社は昨年秋、塗装ユーザー向けに新たな便利ツールを開発した。その名も「クラックガード910」。
長さ914mm、板厚0.35mmのガルバリウム鋼板材で、スレート屋根に生じた部分的な割れや欠損をカバーし、そのまま既存屋根材と同色の塗装をすることで、補強部を目立ちにくくすることができる。

開発のきっかけは塗装ユーザーの声。「スレート屋根材のちょっとした割れや欠損を補修・補強する材を開発してほしい」との要望を得、すぐに開発に着手した。
既に建材メーカーからも同種の製品が開発されているが、塗装業者が簡易に施工できるよう汎用接着剤(ガン塗布)での使用を可能にし、かつ雨水を効率よく排出させるため、本体1枚に対し、3カ所の水抜き穴を設け、雨漏り対策も講じたのが特長。専用シーリングや接着補修と比べて耐久性、耐風性に優れ、減災にも寄与するとして引き合いを増やしている。

「非石綿スレートの普及によって、わずかな衝撃で割れやすくなっています。スレートを張り替えるコスト負担は大きく、低コストかつ即時に補強できるクラックガードの有用性は高いと見ています」と今後の普及に期待感を示す。
使用は全体面積の3%まででカバー工法での使用は不可。重量は1枚0.65kg。荷姿20枚/ケース。
販売価格は材工5,000円程度/枚(税込)。