ロックペイントは4月上旬、建築用塗料の戦略製品を発売した。ガラスのような表層を形成し、無機系塗料のグレード感を直感させる「ロックハイパーリアクターコート無機/無機ルーフ」と、自動車補修用塗料の高性能クリヤー技術を応用した「クリスタルロックシリーズ」を上市。いずれも「従来の建築用塗料とは一線を画し、塗装工事の価値がダイレクトに伝わる製品」(担当者)とし、建築用塗料の高付加価値戦略を推し進める。

新発売した「ロックハイパーリアクターコート無機(壁用)」及び「同無機ルーフ(屋根用)」は弱溶剤2液型の無機・有機ハイブリッド塗料。「無機成分と有機成分のベストバランスを突き止めたことで、これまでにないパフォーマンスを実現した」と自信を示す新製品だ。

まずはガラスのような質感の塗膜表面を形成する点。見た目にも、手触り感でも塗膜の堅牢性が直感的に伝わり、塗装工事の価値を高める。塗膜表層部への無機成分の配向技術と緻密なセルフレベリング機能により、ガラス質の平滑な塗膜を実現した。併せて無機のセルフクリーニング機能により、超低汚染性も兼備した。

更に、ガラスのように堅牢な塗膜でありながら、シーリングに追従する柔軟性を併せ持つのが、同品のセールスポイント。「無機・有機のベストバランスを突き止めたことで、無機系塗料の柔軟性への不安感を取り除いた」と説明、実用性的な塗料に仕上げた。

「無機・有機複合とラジカル制御技術により、期待耐用年数は外壁用で20~25年、屋根用で18~20年。自宅の資産価値向上や建物の長寿命化などハイスペックを求める客層に響くと思う。塗装工事の高付加価値化の切り札にしてほしい」とし、グレード感の伝わるカタログも用意した。下塗りとの組み合わせにより、壁、屋根の各種基材への他、金属、硬質塩ビなど付帯部にも適応する。

一方、住宅や建物の塗装に自動車補修用塗料の技術を転用したのが2液弱溶剤高性能クリヤーの「クリスタルロックシリーズ」だ。自動車補修分野で普及しているガラスコーティングのように、塗装工事のアップグレードオプションとして展開できる塗料。着色塗装のあとにクリヤー塗装をもう一層重ねることで、更に長期耐久性の塗装仕様が提案できる。自動車補修用塗料を展開している同社ならではのアプローチだ。

「例えば、壁に比べて劣化の早い屋根に適用することで、屋根・壁の耐久性が同期化でき、合理的な塗装提案が行える」とし、塗装工事の付加価値化に役立ててほしい考えだ。耐久性へのニーズに合わせ、「UVガード無機クリヤー」「同フッ素クリヤー」「UVガードクリヤー」のシリーズ3種を揃えた。