菊水化学工業は4月26日、東京・品川区の会議場において「2024年アスベスト研究会総会」を開催した。会員・賛助会員を合わせて全国から100名近くが参加、アスベスト処理に関わる最新情報などを共有した。

同研究会はアスベスト含有仕上塗材の除去・撤去工法に関して全国の関連企業と研究・開発や情報交換、協議することを目的に2019年に発足。建物解体業者や改修、塗装など幅広い業種で構成。正会員数は2019年発足時の57社から今年度は100社に増加、活動が活発化している。

総会の冒頭であいさつに立った秦賢治会長(=写真、菊水化学工業)は、「昨年は、アスベスト研究会の"箱"をつくることができました。その一つ目は支部の立ち上げです。全国6ブロックで支部を立ち上げ、会員の皆様のご意見を聞く場を設けさせていただきました。同時に、各支部から推薦いただいた方々で技術委員会が発足。厚生労働省や環境省の担当者を招いて技術委員会のメンバーで座談会を開催するなど、行政との意見交換も進めることができました。今年はその"箱"の中身をいかに充実したものにするかが課題になります。アスベスト処理に関わる新工法や材料の開発、支部と技術委員会の活動を通じて皆様の役に立つ会にしていきたい」と活動への意欲を示した。

今年度の活動計画では、全国6エリアの支部会を6~8月にかけて開催。また、行政や関連団体との座談会、意見交換会なども実施していく予定。
 昨年立ち上がった支部会の活動に関しては、「エリアによって、アスベスト処理に関する労基署の認識にばらつきがあり、情報共有の面で意義が大きい」「地元の自治体を対象に勉強会を催すことができた。事業者単独では難しいが、当会のような団体が働きかけることで実現した」などの活動報告がなされ、支部会の有用性が示された。

総会終了後には、厚労省中央安全専門官の仁木真司氏による「労働安全衛生法における石綿障害防止措置について」と題した特別講演が行われた他、石綿則改正に伴うマニュアル改正の講義などが行われた。