東京木工塗装技能士会(会長・長橋輝明氏)は1月29日、同日開催の総会・新年会の併催企画として2024年度技能コンクールの審査と受賞作品を発表した。当日は組合員に加え、来賓に招かれた塗料メーカー、塗料販売店など約50名が審査に参加。投票により1等から3等の作品を選出した。
同技能コンクールは、同会所属の木工塗装技能士が腕を競う毎年恒例の技能競技イベント。従来は、組合員数名が審査を行い、木工塗装技能士1級、2級それぞれにおいて受賞作品を選定する形式をとっていたが、第18回となる2024年度は1級、2級の垣根を取り払い、参加者全員から表彰するオープンコンペのスタイルとした。
ホオノキを素材とした木箱に装飾を行う自由課題に対し、43名が作品を出品。光沢のある黒色を基調に鹿の子模様を宝石のように表現したものや透明感のある美しい発色で花柄を描いたものなど、塗装意匠の多彩さを感じさせる作品が多く並んだ。
その中で1等に選ばれたのは石澤友美さん(ニシザキ工芸)。本漆を使った落ち着いた漆黒色をベースに実際の紅葉に色漆を施し、色鮮やかに仕上げた。また錆漆を使って蜘蛛の巣を立体的に仕上げるなど、塗装技術とオリジナリティ性が評価された。2等は飯島寛介さん(三越製作所)、3等は金子雅一さん(精工塗装所)が選ばれた。
オープンコンペならではの結果に注目が集まったが、上位3名とも1級木工塗装技能士と面目躍如となった。
HOME建築物 / インフラ1等は石澤友美さん(ニシザキ工芸)が受賞