愛知県名古屋市に事務所を構える塗装会社のトップコート(代表者・小林真樹氏)は、戸建てや施設建物の塗り替え業務を行う中で、デザイン提案を強みに展開している。

例えば、土木工事会社の倉庫の塗り替えでは扉面に大木に会社ロゴを合わせた絵を提案した。打ち合わせで施主にCGシミュレーションで完成イメージを見せるとともに絵に思いを込める。

芸大出身で壁画のデザインに従事していた同社デザイナーの酒井陽一氏は「大通りに面している倉庫のため多くの人の目に触れる。土木関連の会社ということで木の絵を提案し、また会社で犬を飼われていると聞いたので加えました」と説明する。出来上がったデザインは施主から好評を得て、他の建物の塗り替え依頼につながった。

また、子供用雑貨店からの看板作成依頼ではさまざまな動物の姿を重ねたカラフルなデザインとした。

夜にプロジェクターで投影しデザインを原寸大で見せて完成図をリアルにイメージさせた。デザインを投影しながら縁取り、翌日に色付けする工程で完成させた。

戸建て塗り替えにおいてもユニークな提案を行っている。「ただ塗り替えるだけでは面白みに欠ける。一日中日に当たる場所なので、白とグレーに塗り分けて、更にヤシの木の影を外壁にペイントした」ものをCGで提案した。結果的にそのデザインは通らなかったものの、こうしたデザイン提案力の評価が高まっている。

酒井氏は「工務店さんからは『直接施主と打ち合わせしてデザインを提案してほしい』と言われるなど単なる塗装依頼ではなく提案から入るパターンが多くなっている」と話し、デザイン提案力に磨きをかける。