日本塗装工業会は10月16、17日の2日間、西日本総合展示場で「第26回全国建築塗装技能競技大会」を開催した。全国から選ばれた44名が参加し技能を競った。最高賞である内閣総理大臣賞には、福岡支部の辰田英正氏(友栄)が選ばれ、地元に錦を飾った。

今年の課題は①自由仕上げ(自由課題)②つや有り合成樹脂エマルションペイント刷毛塗り仕上げ③下地作業パテ平滑仕上げ④木目調仕上げ⑤防水形外装薄塗材E(単層弾性)ローラー塗り仕上げ⑥調色の6種目。1日目の課題は、つや有り合成樹脂エマルションペイント刷毛塗り仕上げ、木目調仕上げの下塗り、単層弾性ローラー塗り仕上げ。これに調色塗り板の提出が加わる。

来場した塗装職人は「パテがカギになってくる。厚すぎると乾きが遅くなるため、次の作業に影響する。最適な厚さを見極める必要がある」とポイントを分析する。

今大会では、木目調仕上げの下塗り材として日本ペイントの「パーフェクトインテリアEMO」が採用された。また、自由課題では多くの選手が同品を自由課題に取り入れていた。「選手の皆様が高い意匠性を持つこの製品で、塗料の魅力をより引き出し、さまざまな賞がとれることを願っています」(日本ペイント担当者)と期待する。

最高賞である内閣総理大臣賞を受賞した辰田氏は「同じ塗装職人の先輩が以前上位入賞したことから、若いころから自分もこの大会を目標にしてきた。下地には自信があり、コテも普段使っているので問題はなかったが、大会出場にあたり相当練習を重ねました。1日目に少しトラブルがありましたが、あきらめない気持ちで向き合うことができました。最高賞を取れて非常にうれしい」と笑顔を見せた。

大会を見守ってきた九州・沖縄ブロックの会員は「九州・沖縄ブロックの選手たちは地元で賞をとりたいという思いで2年間特訓してきた。その結果多くの選手が入賞という形で評価されたことがうれしい」と笑みがこぼれた。

部門賞の部では自由仕上げの審査員評価部門に愛媛支部の大河道春氏(ニコー)が選ばれた。「地元の有名な観光スポットであるしまなみ海道をイメージした。工法自体はそこまで難しくないが見栄えがきれいで自分でも満足いく作品ができた。それを評価していただいたことは素直にうれしい。今後も技能の向上に努めていく」と喜びを語った。

その他、国土交通大臣賞に牧垣隆氏(東京支部・佐藤興業)。最多受賞は厚生労働大臣賞、部門賞の部・木目調仕上げ、同・調色の3部門での受賞となった貝瀬哲氏(熊本支部・西山塗装)となった。