ローバルと放電精密加工研究所は、新規防錆システム「ZR Armor」の開発を行っていると発表した。常温亜鉛めっきの「ローバル」と、亜鉛系金属の防錆コート「ZECCOAT」のコラボレーションで塩害や融雪剤による過酷な腐食環境下でも高い防食効果を発揮するシステムの構築を目指す。

ローバルは常温亜鉛めっき「ローバル」を用いた特殊亜鉛塗料による鋼材防食技術を保有しており、重防食が求められる箇所で多用されている。一方の放電精密加工研究所は、亜鉛めっきの防錆処理技術「ZECCOAT」を保有。主に自動車部品や太陽光発電の架台などの建材分野で使用されている。今回はそれらの技術を組み合わせ、高耐食性の新規防錆システムを開発する。

同システムは亜鉛めっき特有の白サビ発生も防ぐため、外観が損なわれることを防ぐ他、自己修復機能を持っているため、傷部などからの腐食も抑制することができる。高耐食性のため、SDGsを意識したライフサイクルコスト(LCC)の削減が可能な製品を志向する。また「ローバル」「ZECCOAT」ともに環境に負荷をかける重金属や有害物質を含まないことから、高い防食効果だけでなく環境面にも配慮していく。

一般鉄部及び亜鉛めっき面に適用可能で、機械式駐車場、外部鉄骨階段、配管、ダクト、プラントタンク外面、橋梁等の一般防食から重防食まで幅広く対応させていく。同システムは、放電精密の新工場である大和工場(神奈川県大和市)の一部に試験的に施工されている。「さまざまな箇所での腐食コストの削減に寄与するシステムとして販売を目指す」(ローバル)と開発を急ぐ。