ナトコは4月、工業用水系塗料や遮熱粉体塗料など新製品を発表した。

オンライン新製品説明会の席上で粕谷太一社長は「昨年初めて開催し好評を博したオンラインでの説明会を、今後も営業活動の重要な手段として積極的に活用し、ビジネスチャンスの創造と製品販売のスピードアップを図っていきたい。ナトコグループは昨年10月期の連結決算において創業以降初めて売上高200億円を超えることができました。5年後、10年後を支える新製品の開発にこれからも取り組んでいきます」と展望を述べた。

工業塗料の水性化の流れは、海外ほど活発ではないものの、「自動車メーカーや大手機械メーカーで検討する動きが見られている」との見方。更に2024年に環境省がVOC対策案を取りまとめる予定にあり、「数年以内に日本でもVOCに関する規制実施の可能性がある」として水系塗料の拡充を図った。

今回、上市した水系塗料は、1液アクリル常乾塗料「スピージットAQ」、1液アクリルメラミン焼付塗料「アクリストAQ」、2液ウレタン塗料「スターク1AQ」、2液シリコンアクリル塗料「スーパーワンAQ」の4製品。更にそれぞれの専用水系プライマーも開発しており、常乾から焼付、プライマーまで幅広いラインアップでユーザーのニーズに応えていく。

その中で、「アクリストAQ」は優れた耐候性と鉛筆硬度2Hの高硬度となっている。耐候性は、キセノンウェザオメーター1000時間で光沢保持率100%となる。「スーパーワンAQ」は水系1コートで抜群の耐切削油性能を有し、防錆力があるため1コート仕上げが可能で工作機械向けに展開する。

一方、遮熱塗料では粉体塗料「エコナ51・52V」・艶消しタイプ「エコナ51・52W」と、屋根用途に弱溶剤系「デラクールNAD」の販売を開始。遮熱塗料は表面の温度上昇を防ぐととともに装置筐体に塗装することで内部の温度上昇を防ぐため、省エネや長寿命化といった装置保護の効果も期待できる。

遮熱粉体塗料は調色・艶調整の対応が可能で、優れた遮熱性能だけでなく耐候性にも優れている。促進耐候性試験では1500時間で光沢保持率70%を示し、過酷な環境下でも長期間遮熱性を維持できる。低温タイプ(160℃×20分)もラインアップしている。