国際工業塗装高度化推進会議(IPCO:坂井秀也理事長)は10月11日、2023年度第3回IPCO合同会議を塗料報知新聞社会議室とオンラインによるハイブリッド形式で開催した。

今回はアオイ工販による「LCA(Scope3)にコミットできるアオイのバイオマスチューブ~アオイのバイオマスチューブが選ばれる理由~」と題する発表が行われた。

アオイ工販は機械の配管などに使用されるプラスチックチューブなどを販売する中で、バイオマスのPA11を使用したナイロンチューブも取り扱っている。このバイオマスチューブは、植物性の原材料を主原料としているためCO2排出の削減に貢献できる。

空気圧や水、油、薬品といった流体用配管に使用されており、ナイロンやウレタン、ふっ素チューブなど用途に合わせて主要素材が選択可能で、塗装ロボット用途にも使用されている。カーボンニュートラルの機運が高まる中、塗装用途にも幅広い展開を目指す。

続いて、「CO2排出量に関わる意識調査アンケート報告」が行われた。全国の工業塗装専業者65社で調査を実施、従業員は50人以下、被塗物は金属を塗装する事業者が大半を占めた。範囲は前処理、塗料、電気、ガス、水道、産業廃棄物にて算出した。
年間総排出量は100~500トンの割合が最も多く37%、続いて1,000トン以上23%、100トン未満21%、500~1,000トン19%であった。排出の内訳は塗料32%、電気31%、ガス27%で約3分の1ずつを占める。
カーボンニュートラルに向けた取組状況は「今は考えていない」が56%と半数以上を占めており、「CO2削減への優先度はまだ低い」状況となった。
また、改善技術紹介を行い、植物由来塗料や低温硬化塗料への変更などによるCO2排出量削減を説明した。