国際工業塗装高度化推進会議(IPCO:坂井秀也理事長)は2月、塗料報知新聞社会議室とオンラインで2023年度第5回合同会議を開催した。
今回はヒバラコーポレーションの小田倉久視社長が「人手不足環境下における持続的塗装工場運営手法」と題し講演した。

塗装会社であるヒバラコーポレーションは工業塗装事業とともにソリューション事業を行っており、ソリューション事業では工場スマート化に向けて、自ら開発・運用したシステム「HIPAXシリーズ」を製品化している。

同社では塗装工場における持続可能性への強化要素として、人材、技術、戦略、環境の4つを挙げて取り組む。
人材に関して小田倉社長は「経営者自らリスキリングに取り組み、最新デジタルを学ぶ」とし、ロボットやデジタルマーケティング、AIなどの最新技術に関して「まずはリーダー自ら学ぶことで誰に任せるべきか、適性を理解し抜擢している」と説明する。

現在、ロボットでは操作やメンテナンス、安全についての教育に取り組んでいるが、近い将来にはシミュレータやAIなど更に進めたデジタル教育に注力していく方針にある。

続いて技術については「デジタル化による間接業務の削減」を実行。HIPAXシリーズの生産管理システムと設備監視システム・配合条件アドバイザーを導入することで、入出荷状況の管理や工程・在庫管理、設備点検などの業務の効率化を図っている。

塗装技能についても細分化と標準化に取り組んでおり、HIPAX「マスターアーム ティーチングシステム」により熟練技能者の技能をデータ化し、塗装作業の標準化を図っている。同時に熟練技能者の手順や動作を分かりやすく動画で伝えるコンテンツを作成し、動画での標準手順書を整備している。
また、戦略については「より大きな効果や成果を得るためには企業間が連携したDXの推進が重要」と述べ、サプライチェーンの強化を進めていく方針を掲げる。

続いて都産技研センターの村井まどか氏が「木工塗装の基礎」について解説した他、第3回IPCOカンファレンスなどの報告があった。