関西ペイントは有機溶剤中毒予防規則に対応した自動車補修用の水性クリヤーの開発に成功した。業界初の快挙で、同社は市場モニタリングを実施後、本格展開に踏み切る。

開発に当たっては、独自のバインダー技術を導入し特殊樹脂を開発。この樹脂の特色は塗膜硬度を制御することで磨き性の向上を図り、従来難しかった塗膜性能との両立を可能にした。また、レオロジーコントロール技術や界面制御技術によって、水性ベースコート・水性クリヤーコートの塗り重ねの課題を克服し、高いレベルで作業性と仕上がり性を確保した。

これらの技術はいずれも同社の世界トップ水準の自動車OEM塗料の水性技術がベースとなっている。

自動車補修用分野ではリスクアセスメントの義務化など、作業者の安全衛生への対応がテーマ。このため同社は水性システムの普及に注力し、2015年4月に水性ベースコート「レタンWBエコ EV」を投入、今回の開発でクリヤーベース、硬化剤、希釈水のいずれでも有規則対応を達成したことになり、水性転換を加速させる。