関西ペイントは12月より、自動運転誤作動防止を主目的とした「電波吸収シート」の製品ラインアップを強化し、従来の77GHz帯用に加え、広帯域ミリ波レーダー79GHz帯用を追加した。

自動運転のセンサーには、車前方の衝突防止用に77GHz帯ミリ波レーダーが、車の側方や後方には24GHz帯の準ミリ波レーダーが使用されている。

一方、自動運転の精度を高めるために、車の側方や後方用に高分解能な79GHz帯ミリ波レーダーの適用が検討されており、より広角に使用されるため、周囲の反射物によるレーダー散乱の影響を受けやすい傾向にあった。同社は課題解決のため、薄膜で軽量かつ柔軟で汎用性の高いシート型電波吸収体を開発、3月より販売を開始した。

同品はウェイベックス(本社:東京都板橋区、社長:山下信氏)との共同開発で、高誘電損失材料を均一に樹脂に練り込んだシートとアルミ箔を貼り合わせた構造。耐候性や意匠性を持たせるために意匠フィルムを表面に貼り合わせることも可能。

トンネルや屋内駐車場といったコンクリート壁面などのインフラ設備及びミリ波レーダーを扱う設備や部品など、レーザー散乱の原因となりやすい反射物への使用を想定している。

今後は、自動運転車の側後方レーダー(24GHz帯)や路車間通信などの5G(28GHz帯)向け準ミリ波レーダー用電波吸収シートもラインアップに加え、販売拡大を目指していく。