春日井金属塗装所(愛知県春日井市、代表取締役社長・大久保清司氏)は粉体塗装設備に微粒化粉体塗装制御システムを導入し生産効率の向上に取り組んでいる。

導入した制御システムは凝集した粉体塗料をエアーで解砕し、粉体流量センサーで自動制御して粉体塗料を塗装ガンに搬送する。微粒化できるため薄く塗膜肌がきれいに仕上がるという品質面でのメリットよりも大久保社長の狙いは効率改善だ。

まずはシステム導入前の3カ月間と導入後3カ月間の生産数量に対する粉体塗料購入量を比較し、その効果を調査している。大久保社長は「(システム導入後の)粉体塗料の粒度分布を測定したところ、その指標から微粒化が見られる。調査期間の3カ月はまだ終わっていないので詳細な結果はまだだが、購入量は削減できるだろう」とその効果に手応えを感じている。

微粒化及び定量化ができた次にはデータ管理に取り組む。システムの制御ユニットで粉体質量流量と搬送空気流量が表示されるため、その数値を管理した上で、1日の生産数量と塗料使用量を計算して、1品当たりの塗料使用量の最適値を導き出す。 

生産効率を高めるだけでなく、塗装代の原価計算において、塗料使用量を理論値ではなく実測値から反映させることができる。

大久保社長はこの先も作業工程のデータ化を進めていく意向。「今はさまざまなデータを収集している段階。今後、工業塗装において本格的に自動化の時代が来ると思うので、そのときに自社のデータが必要になるはず」として将来、有効活用できるデータ収集に努めている。