金属塗装会社の永和工芸(大阪市、松本悦典社長)は工場の一部を改造して、全く未知の分野となるカフェ作りに取り組んでいる。金属塗装をコンセプトにして、イベントやワークショップにも使える空間を想定しており、10月1日のグランドオープンを目指している。

永和工芸は大阪市平野区に工場を構える創業60年以上の町工場だ。このほど生産の効率化に伴い30年以上稼働していた工場の一部を閉鎖することとなった。

その活用法について「塗装会社という枠にとらわれずイベントやワークショップなどさまざまなアイデアがあっても実現が困難な人たちの背中を押してあげるために人々が集う空間、あるいは物販スペースというクリエイティブなものにするのが良い」(松本社長)と考え、オープンスペースのカフェに至った。

開店費用の一部はクラウドファンディングを活用して調達する。8月29日現在で目標額100万円に対し97万8,000円の支援を集めている。同時に立ち上げたフェイスブック上のカフェプロジェクトには200名以上がメンバーとなるなどカフェと町工場の異色コラボに関心が集まっている。そうしてつながった仲間とともに壁やパーテーションなど内装はDIYで行っている。

カフェの名前は「Cafe Sa Cueva(カフェ サクエバ)」。フランス語の秘密とスペイン語の洞窟をつないだ造語だ。「平野に人が集い交流できるきっかけとなる場を作りたい。そこが夢の出発点となり、地域に貢献したい」という松本社長の強い思いが詰まっている。