カナヱ塗料はこのほど特化則フリーに配慮した環境対応型フタル酸樹脂塗料など汎用タイプの工業用塗料製品を一挙に投入した。担当者は「フタル酸上塗りの鉛フリー化においては20年前から対応を済ませており、特化則対応、水性化を含め、蓄積した環境対応技術がある」とコメント。同社としては、樹脂の内製化技術と特定ユーザー向けに重ねてきた実績を汎用分野に対して広く展開していきたい考え。

今回投入したのは、速乾型ウレタン変性フタル酸樹脂エナメル「マリントップクィック」(特化則非該当)。そのプライマーとなる一液エポキシ変性アルキド樹脂プライマー「SVプライマー#700」(特化則非該当)、一液変性エポキシ樹脂プライマー「SVプライマー#3000」(特化則非該当)を発売。下塗りから上塗りまですべて特化則非該当のため、特化則製品使用工場に義務付けられている局所排気の設置や特定健康診断を免れることができる。

「同マリントップ」は、主力である船舶用塗料で培った防錆技術を生かし、厳しい屋外環境に耐え得る高耐候性、高防錆が最大の特長。上塗り、下塗りを兼ね省工程化に寄与する他、プライマーである「同#200」「同#1000」を使用することで上塗りの隠蔽性向上、使用量削減に寄与する。「上塗りの共色をプライマーに使うことで、コストを抑えつつ、仕上がり感の向上、艶引け効果が得られる」とアピール。環境対応、品質の観点から2液ウレタンへのシフトが進む中、「フタル酸樹脂塗料に対するニーズは根強い」と1液の利便性とコストパフォーマンスの高さを強調する。

その他、水性タイプでは自動車部品向けでの実績を生かし、速乾型高光沢水性アクリルエポキシ系高防錆上下兼用塗料「アルクアマリントップ」、カラー水性エポキシ系プライマー「アルクアプライマー#200」、光沢型カラー水性エポキシ系プライマー「アルクアプライマー#1000」を上市した。

また特化則該当製品ながら、高隠ぺい速乾フタル酸樹脂エナメル「ネオカナエマイスター」、カラー速乾フタル酸プライマー「SVプライマー#1000CP」をラインアップ。「同マイスター」は、指触乾燥時間約10分と従来の3分の1の速乾性を実現。「当社には特定ユーザー向けのオーダーメイド製品があり、今後も市場に広く展開していきたい」と話す。