自動車の近未来塗色を発表
グローバルアドバンスカラー2020-21

関西ペイントは、自動車の塗色を世界に向けて発信する「グローバルアドバンスカラー2020-21」を発表した。時代の変化を捉えたコンセプトを基に開発した自動車のアドバンスカラー(先行的な塗色)を、自動車産業の顧客に向けて広く発信。濁りのない奥行きを表現した新領域のブルーや自動運転車のセンシング技術に対応した高意匠の漆黒、各国の色彩開発のエキスパートとともに開発した最新トレンド色など魅力的な塗色を揃えた。


自動車のアドバンスカラーは秘匿性が高いため、従来は国内外の自動車メーカーごとに提案を行っていたが、「自動車塗色の開発の背景や物語性、技術的なダイナミズムを広く発信することで塗色そのものが魅力化し、自動車の販売にも良い影響を及ぼすのではないか」との判断から、前回の2019年版から一般公開に踏み切っている。

前回に引き続き、同社グループの各国のカラー開発のエキスパートが日本に集まり、2回目となるグローバルカラートレンドミーティングを開催。各国の情報を基に世界的なトレンドを分析、今期の塗色のコンセプトを探った。

スマートフォン、SNS、IoT、自動運転車など人の願望を可能にするテクノロジーの進化に終わりはないが、その根底には「誰かや社会とつながっていたいけど、一人を好む」といった欲求があると分析。そうした動向を踏まえグローバルアドバンスカラー2020-21のコンセプトを「Alone but not Lonely」と決定。それに基づいて2つの視点から色の開発を行った。

1つめは、地球環境意識の更なる高まりと、実現化する理想の未来像に注目したテーマの「Connected future」。

エコバッグやステンレスストロー、個人タンブラーの持参など人々の環境保全への意識と行動が世界的に進行。そして自動運転やドローン、環境建築などの技術の進化が相まって実現していく理想の未来像を「Connected future」という言葉で表した。ここでは、近未来に必要な技術や思想を盛り込んだ新しい塗色を提案している。

そして2つめのテーマは「A cup of tea」。何にも縛られず、ひとりの時間を楽しむ動きに注目したテーマだ。

インドでは、あえて独身を選ぶ生き方が選択肢として認識され、単身向けの住居や商品が増えている。また、中国では青島にある1人で鍋を食べる店が話題に。心地よい孤独感と温かさが若者に支持されているという。そして新しいテレビのプラットフォームにより、自分の好きな番組や映画を自分の都合に合わせて視聴できるスタイルが世界的に普及、自分だけの満足のいく時間を過ごすことが可能になった。

こうした社会背景を踏まえ、1人の時間を悠々自適に楽しむ動きに注目した「A cup of tea」を2つめのテーマとし、落ち着いた印象の中にも強いこだわりを感じさせる塗色を提案した。

同社は今回のグローバルアドバンスカラーの発表で、これら2つのテーマの中から代表的な3つの塗色を紹介。

Color 1の「Ocean Blue Next」は、世界的に人気の高いブルーの塗色において自動車を更に魅力的に演出するブルーを開発するため、独自のデータベースを活用。濁りのない奥行きを表現した新領域のブルーを開発した。

Color 2の「Black Panther」は、自動運転車のセンシング技術のLiDARに対応した最新のブラック。漆黒性の高い対象物は赤外線レーザーの反射光の検出感度が著しく低下するという問題を解決。自動運転車のボディーカラーで漆黒の高意匠を可能とした。

そしてColor 3は同社グループの各国の色彩開発のエキスパートが考案した最新トレンド色の「Linen Velvet」。柔らかで上品な手触りを想起するリネンベルベットをイメージし、パール顔料の優しい輝きを活かして開発した。近い将来、これらの塗色のクルマが世界中の街を走ることになる。



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