自転車の売れ行きが好調だ。「通常3月頃から試乗会や展示会を催すが、今年はコロナの影響でそうした販売促進の企画ができなかった。それにもかかわらず売上は昨年と変わらないばかりか毎年落ち込む夏場でも注文が続いている」。

こう話すのは粉体塗装を得意とするカドワキカラーワークス(横浜市)の門脇正樹社長。門脇社長はカドワキグループで自転車輸入販売事業をメインとする会社「ファビタ」(横浜市)の社長も兼任する。

ファビタが販売するのは高級折りたたみ自転車で、主力のbirdy(バーディ)は20万円を超える価格帯だ。好調の要因はコロナ禍による消費動向の変化によるところが大きい。

ウイルス感染を防ぐため公共交通機関から自転車へと移動手段を変える動きがある。更にお金の使い方にも変化が見られているという。

「40代、50代は経済的にゆとりがあるものの外出自粛で飲みにも行けず、遠出もしにくい。その中で消費の選択肢の1つとして自転車、しかも高級志向となっているのではないか」と分析する。国からの10万円給付金も後押しする形となった。

カドワキグループでは、ファビタで販売する自転車を純正カスタムとして粉体塗装によるカラーオーダーに対応。最近では、販売ネットワークの全国の自転車ショップからカラーオーダーが増えている。

カラーオーダーはbirdyで2万4,000円からの料金設定だが、カラーデザインにこだわる自転車オーナーが増えている。

今後は自転車設計にも注力し「ショップさんごとのオリジナル自転車の製作という展開も考えている。そこに強みであるカラーデザインを生かす」として、変化するニーズを捉えて事業拡大を目指す。