塗料・塗装の内装需要の喚起に注力する関西ペイント。商品群では「アレスシックイ」や「アレスムシヨケクリーン」など特徴的な塗料で社会的関心を誘うとともに、関西ペイントグループとしてグローバルカラーフォーキャスト(世界の流行色予測)を発信するなどダイナミックな展開が注目される。

その一方で、より現場サイドに近づいた草の根的な活動で内装需要の喚起にアプローチする。具体的には「PXI(=Paint×Interior、ピクシー)」やそこから派生した「KIP's(キップス)」などの活動だ。

「PXI」は"インテリアにもっとペイントを"をコンセプトにインテリアコーディネーターやデザイナーなどに向けた情報発信活動で、中でも関心を集めているのがデザインペイントのワークショップ。「デザインの自在性というペイントならではの表現力を磨き、塗料・塗装の価値向上と需要拡大を図る」のが目的。東京と大阪それぞれで年3~4回開催し、この分野の第一人者・フォーアーツデザインのヨザン弥江子さん(東京会場)とARACOの荒木俊成氏(大阪会場)を講師に多彩なペイントテクニックを伝授している。

このワークショップに強く反応したのが同社の戸建塗装リフォームの会員組織「リフォームサミット」のメンバーだ。当初PXI会員を想定したデザインペイントのセミナーにプロの塗装業者が高い関心を示し、1回2万円の有料セミナーに申込が相次いでいる。

このセミナーを通したPXI会員のインテリアデザイナー、コーディネーターとリフォームサミットのコアなペインター、関西ペイントのコラボで生まれたのが「KIP's」だ。メンバーが共有しているのは"空間価値の向上"。「感動を引き出すデザイン性であったり、機能による快適性であったり、住まう人がペイントにしたくなる理由を明瞭にしていくこと」と目的を述べる。

メンバーが協調し、実際の施工物件で現場サイドから塗料・塗装の魅力を伝える「KIP's」。デザインペイントの魅力を伝え、DIYペイントの予定からアレスシックイ+デザインペイントにグレードアップした物件の受注、日本塗料工業会主催のグッド・ペインティング・カラーでも2つの物件が受賞するなど、活動に熱が入ってきた。