大日本塗料が昨年発売した皮脂軟化対策用水性塗料「アクアマリンタックレス」の実績が増えている。商業施設など人の往来が激しく、人の手が常に触れる場所や美観を重視する場所に提案を積極化している。

同品は鉄扉やドアノブ周辺部の塗膜が、人から分泌される皮脂などで軟化し、こすられることで一部はがれる「皮脂軟化」を防ぐ塗料。リベット構造の樹脂が強固な塗膜を形成し、皮脂の浸入を防ぐ。皮脂軟化性試験後でも鉛筆高度Fと水性で強溶剤二液ウレタン塗料並みの硬度を維持。ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆を取得している。

屋内の鉄部には合成樹脂調合ペイントやフタル酸樹脂塗料が使用されていたが、ホルムアルデヒド放散量や暗所焼けにより弱溶剤ウレタンに代わり、更に昨今は臭気の問題から水系つやありエマルションに代わってきた。しかし、水系つやありエマルションは、皮脂軟化の防止が課題となっていた。そこで同社では皮脂に近い成分を特定し、実験を繰り返し、理想の塗膜性能に近づけていった。「特に大型物件などでは室内の密閉率も高く臭いが抜けにくいため、水性化が求められており、今後も更なる需要が見込める」(担当者)と拡販に期待を示す。

また、同社で主力製品の「水性ビルデック」が好調。戸建ての軒天や基礎部分など幅広く使用されており、特に小面積部分での使い勝手のよさから塗装業者の支持を高めている。