DIY木部用塗料メーカーの和信ペイントは、人工木のウッドデッキ、ジョイントデッキ向けに「人工木デッキコート パワープロテクト」を開発した。10月上旬に幕張メッセで開催された「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW2021」で初披露し、来春にも市場展開を本格化する。

コロナ禍による巣ごもり消費を受け、DIY塗料の好調ぶりが際立っている。ただ店頭から一時品が消えた昨年と比べると一服感が見られるが、「例年ベースで見ると依然として高い水準を維持している」(瀬川義浩社長)とコメント。同社としては積極的な製品投入で更に需要を押し上げていく考えだ。

「同パワープロテクト」は、樹脂と木粉を混ぜた人工木向けに開発した塗料。人工木は、天然木のような腐朽菌や白蟻による劣化はないが、紫外線の影響で色褪せすることから塗り替え需要が見込めると製品投入に踏み切った。「ホームセンターでは年々、人工木売り場のスペースが拡大している。そこで、いち早く製品を投入し、人工木でも塗り替えができることを知ってもらいたい」と今後の需要拡大に期待を寄せる。

同品は、色あせや白ボケした人工木に着色し、新品同様に再現できるのが特長。紫外線吸収剤を配合し、耐候性を付与した他、艶を抑えた木質感を生かした仕上がりが得られる。色は、ペールオレンジ、ブラウン、ダークブラウンを揃える他、クリヤーもラインアップ。耐候性を付与できることから、新品の人工木にも採用を訴求する。塗り面積(2回塗り)は約5㎡。荷姿は0.7kg、1.6kg。

市場の先を見据えた製品開発で新たな需要開拓を目指す一方、既存製品も市場の変化を捉え始めた。

布やスポンジを使ってワックス感覚でペイントができる「ウッドアトリエ」がその1つ。「コロナ禍で最も需要を伸ばした製品。明らかにユーザー層の変化がうかがえる」とクラフトを楽しむ女性DIYファンの拡大が巣ごもり消費を牽引したことを裏付けた。

瀬川社長は「こうした女性ファンの存在は、塗料の水性化にも拍車をかけており、主力のニスも水性タイプが約7割を占めるまでに成長した」と説明。市場の変化を見据えた安全、安心を重視した製品開発に意欲を示した。