「ミリタリーペイント アーミー」
ニッチ、マニアックでヒット狙う

ターナー色彩の新商品「ミリタリーペイント アーミー」がDIY市場で話題を集めそうだ。塗るだけでさまざまな物をミリタリー(軍装風)な雰囲気に変えるユニークなペイント。"ミリタリー"というニッチでマニアックなコンセプトが却ってDIYユーザーに刺さり、ヒット商品へのポテンシャルも秘める。奇抜なアイデアゆえに"ボツ"になりかけた商品企画がすんでのところで拾われ、日の目を見ることになった。


近年、"ミリタリーテイスト"と呼ばれる色合いが人気を呼んでいる。彩度を抑えたグリーンやオリーブ、ブルー系などのマットな色調で、元々は軍服(=ミリタリー)の色合いを模したデザインスタイル。 

カラーへの嗜好性が多様化する中、軍服に由来したその武骨なテイストが却ってオシャレ感を演出するとし、ファッションやインテリアなどさまざまなアイテムの色調として台頭、ミリタリーテイストのデザインがひとつのジャンルを築いている。

特に最近ではアウトドアの領域にミリタリー色が拡散。空前のブームで賑わっているキャンプのシーンでもテントやタープ、ランタン、テーブル、チェアなどミリタリー色で彩られたギアが目白押し。ミリタリーなワイルド感がアウトドアとマッチし、人気色として広がっている。
 こうしたトレンドを受け、DIYユーザーの注目を集めそうなのが、ターナー色彩が先月発売した「ミリタリーペイント アーミー」だ。

同品は、塗るだけでさまざまな物をミリタリーテイストに変える屋内外用の水性塗料。ミリタリー風やカモフラージュ(迷彩)柄のペインティングに最適な6色を用意、インテリア雑貨やキャンプグッズなどのアウトドア用品、ガーデニングのアイテムなどさまざまな物をミリタリーテイストにアレンジできる。

色は、「アーミーグリーン」「ウッドブラウン」「サンドイエロー」「ネイビーブルー」「ブルイッシュグレイ」「チャコールブラック」の6色をラインアップ。それぞれ単色でもミリタリー調の雰囲気に塗り替えられる他、複数の色を組み合わせることでカモフラージュ柄のデザインも楽しめる。また、アルファベットや数字柄のステンシルとも相性が良く、ステンシルや汚し加工(エージング)などを加えることで、クールでスタイリッシュな独特なペインティングが楽しめる。

加えて、黒板機能を持たせているのでチョークでの書き消しもでき、活用のアイデアが広がる。各種下地に応じたプライマーも揃えており、金属や樹脂などさまざまな素材に塗装が可能。武骨さとオシャレ感が同居した色調で、これまでの塗料とはまた違った個性的な表現力を発揮。DIYユーザーを刺激し、市場で広がりそうな予感だ。

マニアックな色に特化した面白さ

「ミリタリーペイント アーミー」は当初、同社の「チョークボードペイント(黒板塗料)」の新色として商品企画が出された。巷で流行っているミリタリーカラーをシリーズに取り入れることで売上アップを狙う企画だったが、黒板塗料全体が下火になっている中、色のインパクトだけでは期待薄なことからボツになりかけていた。

そこに別の焦点をあてたのが同社の地平宏会長だ。黒板塗料の新色としてではなく、色としてのミリタリーカラーそのものを商品力に据える逆の発想。「価値観や嗜好が多様化している今の時代、無難な商品で広い市場を狙うよりも、特定のユーザー層に向けたニッチで尖った商品の方がヒットする可能性が高い。ミリタリーカラーというマニアックな色に特化している面白さは一定のDIYユーザーに響くと思うし、そうした層の作例などによって更に多くの層に波及していく、そんなイメージを持っている」(地平会長)とヒットへの期待を込める。

同社は2014年に発売した「ミルクペイント」がDIY市場でヒットし、瞬く間に全国のホームセンターを席巻、DIYペイントの有力メーカーに躍り出た。その後、"男前インテリア"のトレンドに乗ってやはりヒット商品となった金属調塗料の「アイアンペイント」、古木風の表現力が人気の木部用「オールドウッドワックス」などヒットを連発、ホームセンターの塗料売り場の占有率も高まっている。

10月初旬に千葉・幕張メッセで開催された「DIYホームセンターショー」にも出展、新商品の「ミリタリーペイント アーミー」をメインに据えた。「各ホームセンターのバイヤーさんから『これまでにない個性的で面白い表現ができる』と強い関心を示していただきました」(ブース担当者)と手応え十分。ホームセンターの塗料コーナーを賑わせる商品がまた1つ増えそうだ。



新商品の「ミリタリーペイント アーミー」
新商品の「ミリタリーペイント アーミー」
ミリタリーテイストの表現が魅力
ミリタリーテイストの表現が魅力

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