卵の殻を再利用した塗料「エッグペイント」を製造・販売する日本エムテクスは、新たに壁・天井用の左官材「NURU DENIM」を発売した。

「NURU DENIM」は、かつて日本の建物で多く使用された「繊維壁」のような肌触りの左官材。繊維壁の欠点であった経年劣化を改良し繊維壁の現代版として蘇えらせた。接着剤を使用していないため、古くなったら水をかけ再度練り直すことで、また左官材として使用できる。カラーはインディゴブルー、ユーズドブラック、ストーンウォッシュの3色を揃えた。落ち着いたシックな室内空間を演出できる。

同品は廃棄物に新たな付加価値を持たせ、別の新しい製品にアップグレードするアップサイクルの観点から生まれた製品で、原料はデニム工場から排出される洋服の端材。この排出されるデニムの端材を粉砕し、左官材へ活用した。

「日本国内で洋服製造時に出る端材は年間に約4万5,000トン。これを活用できないかと考え製品の開発に至った。SDGsや環境負荷軽減などの関心も高まっており、設計事務所などからの問い合わせも増えている」(担当者)と注目度も高まっている。

同社では本来廃棄されてしまう素材の有効活用を加速させるべく、昨年5月に「一般社団法人GOMITAIJI」を立ち上げた。「現在、さまざまな企業から協力を得ており、廃棄物を有効利用できるアイデアを考え実践していく。会員が増えることで実現できることも広がる」(担当者)と廃棄物活用で環境負荷軽減に寄与していく考え。