壁面をユニークな機能壁に変えることで国内でも関心が高まっている「マグネットペイント」や「スケッチペイント」。このほど製造元のマグペイントヨーロッパ社(オランダ)のセールスマネージャー・Tom Liebrand氏(写真右)が来日、国内総代理店のマグペイントジャパン(東京都江戸川区)の西村純一社長(同左)と共同で報道機関向けミーティングを行った。

マグペイント社の設立は2003年。それまで溶剤系が主流であった壁に磁石がくっつく磁性塗料の水性化に成功し、「マグネットペイント」として発売したのが始まり。以来、水性のアドバンテージにより代理店が増加、現在世界55カ国で代理店網を構築している。

主力のマグネットペイントに加え、マーカーで描き消しできるホワイトボード機能の「スケッチペイント」や黒板機能の「ブラックボードペイント」などを次々と市場投入。ユニークな機能性ペイントに特化したメーカーとして存在感を高めている。

Tom氏は「当社は各国代理店をファミリーと位置づけ親密な関係を築いています。マーケットの最前線で戦っている代理店はそのトレンドを最も把握しており、彼らの意見やアイデア、要望に応えることが商品力に直結するため、代理店とのリレーションシップを最重視しています」とスタンスを強調。

特に同社がスタートした直後の2004年から日本の総代理店となったマグペイントジャパンに対して、「マーケットをゼロから開拓してきた」(Tom氏)とその功績には思い入れも深い。「昨年、オランダの本社に各国の代理店が集まりセールスミーティングを開催。そこで(マグペイントジャパンの)西村社長がプロ向けの製品の必要性を訴えるプレゼンをされ、早速開発に反映させました」と説明。それを受けて今年から発売した「マグネットペイントforプロ」や「スケッチペイント1K」などのプロスペック製品が急伸、既存製品と肩を並べる販売に達しているという。「DIY向けではなく、プロのプライドとグレードを満足させる製品として火がついた」(Tom氏)とし、西村氏の提案への謝意を述べた。

西村氏はマグペイント社に対して「とてもフレキシブルなメーカーで、F☆☆☆☆や防火認定など日本特有の規格にも俊敏に対応、我々の事業の成功にも大きく貢献してもらっています。プロスペックの国内での本格発売、更に映写用の『ビーマーペイント』やユーチューバー向けの『グリーンスクリーンペイント』など尖った製品の投入が今後も予定されています。成熟した国内の塗料市場の中で、ニッチだけれどブルーオーシャンを狙える塗料を提供してくれることに大いに期待しています」と信頼を寄せていた。

なお、マグペイントジャパンの国内での販売実績は施工面積換算で年間約5万㎡に達している。大手設計事務所やゼネコンなどで定番化し、大型物件や著名物件での採用が相次いでいる。