スリーエムジャパンは7月下旬、東京本社で新製品説明会を行い両面テープだけで内装パネルの施工を可能にした「3M VHBテープY-4800-12建築パネル仕上げ用」を発表した。建築内装分野への本格参入を表明した。

同品は建築内装仕上げに特化した超強力な両面テープで、壁・天井ボード用接着剤の規格であるJIS A 5538相当の強度を持つ。従来は仮止めのテープを貼り付け接着剤を塗布する工程を、同品だけで施工する新しい工法で作業時間短縮などに寄与できる。石膏ボードやケイ酸カルシウム板など材質が多岐にわたる建築パネルの仕上げを両面テープだけで可能にする日本で初めての技術となる。

従来の接着剤を塗布する作業は、作業者によって塗布量にばらつきがある。一方、同品では決められた長さを貼り付けるため、作業中に接着剤が足りなくなるという施工管理上の不安を解消。重量も接着剤に比べて軽量で、搬入作業の負担も軽減できるメリットがある。

同社では「従来の仮止め用の両面テープでは強度が足りなかった」として、粘着剤を工夫することで建築パネル仕上げに特化した粘着剤を開発し、この度上市に至った。同社テープ・接着剤製品事業部マーケティング部の金子健太郎部長は「基礎工事や躯体工事に作業の遅れが出た場合の影響を受けやすい仕上げ作業で、生産性の向上は急務。加えて、深刻な人手不足によって今後多能工化が進むと見ており、経験の浅い技能者でも生産性を向上させられる工法の開発を目指した」と同品開発の背景を説明した。

同社では今後新たな工法としてゼネコンなどに向けてPRしていく。