ヒューマンメイドの「色」にこだわる

オーストラリアの意匠性塗料「ポーターズペイント」の日本総代理店・NENGO(神奈川県川崎市)が先月開設した「PORTER'S PAINTS SHOWROOM」(本紙8月7日号既報)。そのオープンに合わせて本国から来日したPORTER'S PAINTS社ゼネラルマネージャーのスコット・ウイシュアート氏(写真)に、ポーターズペイントの人気の秘密や日本市場への期待などについて聞いた。
 


――今回、ショールームのオープンに合わせて来日されたと聞きました。日本総代理店のNENGOさんとの関係は長いのですか。
「ええ。2001年に日本総代理店として活動を始めていますから、もう23年のお付き合いになります。日本の他にもアメリカ、ニュージーランド、韓国、アイルランドに海外の代理店がありますが、その中でも最も古いお付き合いの1社ですね」

――日本における「ポーターズペイント」の展開、NENGOさんの活動をどのように見ていますか。
「私どもが代理店に求めているのは、製品に対する理念や情熱の共有です。そういった意味ではNENGOさんはベストパートナーと言えるでしょう。今回もこのような素敵なショールームを開設し、ポーターズペイントらしさを発信してファンを増やすことに力を注いでおられます」

――ポーターズペイントらしさや、その理念を共有するとは。
「ポーターズペイントの最大のセールスポイントは、他の塗料メーカーには決して出すことのできない『色』と、その色が織りなす上質な空間づくりにあります。商業主義に走ることなく、ヒューマンメイドの色にこだわり続けて人々の共感を得ていく。そうしてつくり上げてきたブランド価値の共有を、代理店の皆さんにも求めています」

――ポーターズペイントの特徴は色にあるのですね。
「通常の塗料メーカーが数色の顔料(原色)で調色をするところ、当社は16色の顔料を駆使して色づくりをしています。ですから、色みはもちろん色の深みや奥行き、光を反射した揺らめきなどポーターズペイントならではの特徴がくっきりと表れます。中でも当社にだけしかない門外不出の4つの顔料があり、その"シークレットスパイス"が他社との色の違いを決定づけています。他社が決して再現できないのがポーターズペイントの色なのです」

――塗料メーカーとしても特殊な位置づけにあるのですね。
「通常のストレートなペイントと異なり、色やテクスチャーや表情にオリジナリティを持たせた意匠性の高い塗料のカテゴリーを、"ブティックペイント"と称し、その代表格がポーターズペイントだと言われています。他社の塗料の倍近い価格で販売されていることからも、立ち位置の違いが分かってもらえるのではないでしょうか」

――そのハイエンドな塗料が市場に支持されている理由は何ですか。
「先ほども言ったように、色にポーターズペイントの特徴があるのですが、その色の魅力を最大限に引き出すためカスタムメイドにこだわっているのが支持されている理由です」

――カスタムメイドですか。
「ええ。公共建築から商業施設、一般の住宅まで幅広い建物でポーターズペイントが使われているのですが、それらのプロジェクトや物件に対して1つひとつオーダーメイドで色づくりを行っています。設計やデザイナー、住宅の場合は個人のオーナーと色の打ち合わせを行い、その建物にベストマッチの色やテクスチャーをご提案し、塗料をつくりこんでいく。既定色やプレミックスの塗料では得られない、その建物や家だけに広がる上質な空間が満足度を高め、付加価値の高い展開を可能にしています。ポーターズペイントを一度使うと、必ずリピーターになるほど熱いファンになっていただけます」

――そうすると、色彩提案力がカギになりますね。
「その通りです。当社には本社と直営店のスタッフを含めて、アートやインテリアデザインなどのバックグラウンドを持つカラーデザイナーが多数在籍しており、ハイレベルなコンサルタントを行っています。国内外の代理店、例えばNENGOさんのような代理店にも高度なカラースキルが備わっており、それがポーターズペイントのブランド価値をグローバルに高めています」

――最後に、日本市場、特にインテリアでペイントを広めていくためのアドバイスをいただけますか。
「日本のインテリアがプラスチック壁紙に圧倒されていることは認識しています。それを変えるには、固定観念に縛られない若い世代の人たちにペイントの魅力を発信していくべきでしょう。オーストラリアでも、私の若い頃はほとんどが白というように色に対して保守的でしたが、若い人を中心に冒険的な色使いがなされ、色彩豊かな世界が広がってきた背景があります。色の自在性と、それによる上質な空間づくりはペイントならではの強みであり、魅力です。それが伝われば市場は変わるでしょうし、NENGOさんにも期待しているところです」

――ありがとうございました。



「ヒューマンメイドの色にこだわる」とスコット・ウイシュアート氏.JPEG
「ヒューマンメイドの色にこだわる」とスコット・ウイシュアート氏.JPEG
Photography:Toshiyuki Yano.jpg
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