ビックケミーは、ワックス添加剤の新製品を投入し、機能性製品のラインアップの充実を図っています。
2007年7月からは"BYK is excellence in Wax Additives" と銘打って BYK-Chemie GmbH(ドイツ)とビックケミー・ジャパン共同でワックスキャンペーンをスタートさせました。8月の製品説明会開催、各会社様別のインハウスセミナーなどを通じても、製品、技術情報をお届けしてまいりました。さらにWEBではベースとなるワックスやワックス添加剤を基礎理論から応用例など、紙面連載以上に図表を用いながら、連載講座でご紹介をしています。
連載講座(3)では、塗料におけるワックスの効果にお話を進めます。
塗料におけるワックスの効果

ワックス添加剤は塗膜表面に配向するので表面特性に影響を与えることは明らかです。ワックス添加剤にはさまざまな効果がありますが、主な効果は"表面保護"です。他にもつや消し、レオロジーコントロール、ストラクチャーやテクスチャーの生成などがあります。
融点と極性はワックスにおいて相関関係にあります。ワックスの効果の違いワックスの由来にあります。
低融点ワックスにより、塗膜のスリップ性は向上し、高融点ワックスにより機械耐性が向上します。融点が非常に高いワックスはスリップ性を付与せず、逆にスリップ性を低下させます。つまり、摩擦係数が高くなります。
これらの例では、ワックスの極性による表面特性への影響はありませんが、極性に大きく依存する効果が他にあります。疎水性、撥水性および耐ブロッキング性は極性が非常に低いワックスを用いた場合に得られます。この場合、ワックスの融点は重要ではありません。

撥水性

低極性ワックスは疎水性表面を得るのに最適で、優れた撥水性を示します。低極性ワックスは塗料表面の極性を変えることを可能にします。この効果は水接触角を測定することで確認できます。図1にアクリル外装水性塗料の例を示します。具体的にはAQUACER498,531,537,539が撥水性を付与することができます。


撥水性 100%アクリル外装水性塗料
耐ブロッキング性

耐ブロッキング性は、撥水性と同じ特性に基づきます。低極性の表面同志は密着しにくいため、パラフィンワックスのようなきわめて低極性のワックスをベースとしたワックス添加剤は常に最適な耐ブロッキング性を示します。


耐ブロッキング性試験 水性アクリル艶あり塗料
スリップ性およびスベリ防止性

パラフィンワックスやカルナバワックスなどの低融点ワックスによりスリップ性が向上します。しかし、高スリップ性が常に要求されるわけではありません。床用塗料やパーケットラッカーの場合にはスリップ性が高いと危険です。紙用塗料のスリップ性が高すぎると、積み重ねることができません。そのため、ポリプロピレンワックスなどの高融点ワックスが反対の効果を示すことは非常に有用です。つまり、スリップ性の低減です。図3に、水系アクリルパーケットラッカーに対する2種類の異なるワックスの効果を示します。水系用にはAQUACER593が、溶剤系および粉体用にはCERAFLOUR970が最適です。


スリップ性 / スベリ防止性 水系アクリルバーケットラッカー(床用)

BYK company profile:
ビックケミーは塗料、インキおよびプラスチック業界で使用される添加剤では、世界的なリーディングサプライヤーの一つです。添加剤は塗料、インキおよびプラスチックの製造工程で使用され、製造工程を最適化し、最終製品の品質、外観を大きく向上させます。ビックケミーでは、湿潤分散剤、スリップ性、レベリング性を向上させる表面調整剤、消泡剤、レオロジーコントロール剤をはじめ、ナノテクノロジーを応用した添加剤、ワックス添加剤等を取り扱っています。


Wax Additives
excellent product group for excellent paint performance