2008年は昨年からのBYK-Chemie GmbH(ドイツ)とビックケミー・ジャパン共同のワックスキャンペーンを継続してより高付加価値のある製品、技術情報をお届けしてまいります。製品説明会開催、各会社様別のインハウスセミナーなども計画していますのでご期待ください。WEBではベースとなるワックスやワックス添加剤を基礎理論から応用例など、紙面連載以上に図表を用いながら、連載講座でご紹介をしています。
連載講座(5)では、ワックスの効果の1つ、レオロジー制御についてお話を進めます。
塗料におけるワックスの効果
レオロジー制御
前編では耐スクラッチ性および耐摩耗性効果のあるワックス添加剤を様々な試験方法、結果とともにご紹介しました。
今回はワックス添加剤のレオロジー制御を特徴とする製品について説明します。
当社推奨のワックスディスパージョンを用いると、液状塗料のレオロジー性、粘性を変化させることができます。固形粒子の沈降防止に使用することもできます。図1に製品名と極性を示します。
実際には、木工塗料において、ワックス添加剤を使いつや消し剤の沈降防止ができ、かつ、つやムラのない塗膜を得ることができます。
同様に、メタリックベースコートに使用すると、光輝材を液中で安定的に分散させておくことができます。
したがって、光輝材の配向性が向上するので、アルミやマイカが均一に並び、光輝感のあるメタリック塗膜を作ることができます。図4では、ベースコート塗料中でのワックスがアルミ片の間に存在しているのが確認していただけます。
このようなワックスの用途としては、溶剤系で自動車部品や家電製品のプラスチック基材のコーティング材に採用されています。図5では、CERAFAK および CERATIXの効果の比較を示します。
また、水系用には、AQUACER 526がメタリック塗料に入れたときの配向性向上に効果的です。
図6、図7の断面写真と表面写真でAQUACER 526 の効果をご覧いただけます。
さらに、EVAベースのワックスで粘性発現を強力にした、AQUATIX 4821 を上市しています。
AQAUTIX 4821 の優位性を配向写真でご確認いただけます。(図8)
AQUATIXが当社の特徴である、液状で、添加しやすく、PH依存の少ないことが「水性用粘性制御剤比較表」でお判りいただけます。
ビックケミー社では水および溶剤ディスパージョンタイプ、粉体タイプとさまざまな形態のワックスを上市しております。
BYK company profile:
BYKは塗料、インキおよびプラスチック業界で使用される添加剤では、世界的なリーディングサプライヤーの一つです。添加剤は塗料、インキおよびプラスチックの製造工程で使用され、製造工程を最適化し、最終製品の品質、外観を大きく向上させます。BYKでは、湿潤分散剤、スリップ性、レベリング性を向上させる表面調整剤、消泡剤、レオロジーコントロール剤をはじめ、
ナノテクノロジーを応用した添加剤、ワックス添加剤等を取り扱っています。