本日はワックス系添加剤。ポリエチレンやアマイドワックスが有名です。BYKではCERAFLOUR(セラフラワー)、CERAFAK(セラファック)、CERATIX(セラチックス)、CERACOL(セラコール)、CERAMAT(セラマット)、AQUACERA(アクアセラあるいはアクア―サー)、AQUAMAT(アクアマット)です。まずCERAですが、BYKが買収したオランダの会社の名前CERAからきています。FLOURは粉状、小麦粉flourです。FAKの語源は私も知りません。ドイツ語のFactor因子か?Fakutum事実か? TIXはチキソトロピー(ねばさの一つの表現です)、COLはCoil coating用(コイルは鉄板を巻きとったもの)、MATは艶消しの意味、AQUAは水・水系用です。たくさんありますね。これだけでげんなりしないでください。

さてワックスとは何ぞや? ワックスの機能は如何に? と説明してもつまらないので、擬人化してみましょう。CERAちゃんです。

CERAちゃんは粘着質でなく、さっぱりした性格です。お風呂も好きですが、あんまり暑いと融けてしまいます。でも壊れちゃうわけではないので、冷めたら元に戻ります。気分屋さんのところもあり、時々缶を滑らせて喜ぶかと思えば、床でスリップしないようにして人助けもします。水は嫌いなので、水をあっちへ行けと弾き飛ばします。我慢強いので、傷をつけようとしても傷つきません。たとえ傷ついたとしても、持ち前の回復力でまた元に戻ります。でも目立ちたがり屋ではないので、つやのないマット調が好きです。反面、人懐っこいので、アルミフレークさんとも仲良しです。アルミさんが一人沈みこんでいるときには、手をつないでみんなの列に並ばしてくれます。

カタログにはなんて書いてあるの

これがCERAと名の付く製品ワックスの特徴のすべてです。カタログにはさすがにこうは書かけないので、かしこまって書いています。いわく、

「適度な艶消し効果を示し、ストラクチャを形成するグレードもあります。塗膜に融点の低いものはスリップ性を与えます。融点の高いものはすべり防止性を付与します。またスリキズの防止に効果的で、撥水性とあわせ塗膜を保護します。メタリック塗料ではアルミフレークの沈降を防止し、配向を助けます。」とまあこんな具合です。

最近は新しい仲間も増えました。微生物君が糖分を食べておなかに蓄えたものを人が取り出して、製品にしたCERAFLOUR1000姉妹(3品)です。CERAちゃんは石油からできていました。仲間にブラジル産の木からとるカルナバ君もいたのですが、ここにCERAちゃんのバイオの仲間・三姉妹が増えました。CERAちゃんは、「カーボンニュートラルにならない」や「マイクロプラスチックの元になる」と言われて、肩身の狭い思いをしていましたが、1000ちゃん三姉妹は土にかえるナチュラルなものとして世の中に受け入れられることでしょう。そしていいのが、ソフトタッチ・さわり心地がいいのです。家庭用ロボットや介護の器具なんかにも使ってもらったら、温かみのあるキャラが生きてくるでしょう。

第七話おしまい。

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ビックケミー・ジャパン株式会社 若原章博