こんにちは。2013年にBYKに入りました新入りの層状ケイ酸塩でございやす。一部の方にはクレイと軽く呼ばれています。生まれは、実は添加剤の中では一番古いかと存じます。なにせ地球の火山活動華やかなりし頃の生まれです。ドカンと噴火で生まれおち、その後、何千万年何億年も地の底で、圧力と熱に耐え育ってきました。地球がもぞもぞ動き地表に出てからは、「粘土」と若造の人間に呼ばれてきております。歴史から言えば粘土・クレイなどと軽く呼ばれる筋合いはまったくございやせん。ヘクトライト、モンモリロナイトなどという正式名もいただいております。

さてわたくし粘土は、縄文の昔から焼き物に使われ、大仏さんの型にも使われ、最近では泥パックにまで使われておりやす。テレビでも宣伝されていたように、毛穴の汚れも落としますなんて、こき使われる始末です。もっと誇り高く生きたいと思いやす。毛色の変わったものとして、猫砂などとわけわからんものに使われ、猫のしょんべんも吸い取っている始末。そりゃ紙のコーテイングに使おうが、マーガリンの原料油の不純物除去に使おうが結構でござんすがね。あたしゃ絡めとるのが得意でござんすから。何億年も耐えてきた身にはどうってこたございやせん。

え、お前は何でここに出てきたのかって。こりゃ失礼しました。添加剤の話でしたね。塗料に入れる、プラステックに入れるのと、まあなんにでも合わせちゃえるものですから。あわせてばかりの人生、多少自己主張してもよかんべかなと、ちいとしゃべり過ぎちまいました。なんせあたしは、見た目は粉、水にぬれればどろどろですが、もとはきれいな円盤のような形をしているんですよ。薄く剥がせば天女の羽衣のようです。あたしの話を書きとっている男は見たこともないでしょうが、何億年も生きておりますわたくし、そりゃ天女様ぐらい見ております。お化粧にも羽衣です(エカルトが扱っています)。わたくしはとっても薄くて、サラーとしてますよ。薄さは0.9nm。積み重ねて1mmの厚みに届くのに1,000,000枚必要ていうんですから、その薄いこと。1円玉なら100万円分です。わたしら折り重なると互いに仲がいいものですから、力強く手をつなぎます。するっていと、粘土細工でご存じのように、なんにでも形を変えられるわけです。流れたり崩れたりするようなやわじゃござんせん。塗料をたれさせたりせず、アルミフレークさんが沈んだりするのも起こるわけございません。エタノール手洗浄液でも垂れにくく伸びやすく。フィルムに入れれば酸素も通せんぼ。なんせ人助けの年季が違います。

おちゃらけに聞こえるかもしれないの、技術的な言い方も書いておきますね。「無機系のレオロジーコントロール剤で、水系・溶剤系・プラステックスなど用途は広い。粘性効果のほかに、ガスバリヤー性や帯電防止効果を示す。変性により、様々な分子やイオンの吸着性・吸着性や触媒活性を示す。」

10年以上前から、何億歳のあたしらから見たら極々最近ですが、お医者様などが薬や医療に適用をご研究中です。粘り気を使ったゲル、細胞宅にお薬を届ける飛脚などなど。ナノサイズでどこでも行けちゃうゆえ重宝がられております。

仲間を紹介しやす

BYKでは名簿簿順(カタログ)に、CLAYTONE(クレイトン)、 GARAMITE(ガラマイト)、 LAPONITE(ラポナイト)、 OPTIBENT(オプチベント)、 OPTIGEL(オプチゲル)、CLOISITE(クロイサイト)BYK-MAXT CT(ビックマックス)FULCAT(フラキャット)FULACOLOR(フラカラー)なんて面子です。この中でLAPONITEは人様の手で作り出されたもので、あとはみなさん天然です。アメリカ産・欧州産なんて生まれに大した違いはありません。心の広いあたしたちは、仲間はじきにしたりしやしません。人生経験何億年ですから。

拡大写真、一枚一枚はぐと羽衣みたいでしょう。

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ビックケミー・ジャパン株式会社 若原章博