前号の7月23日号では夏季特集を行った。毎年夏季特集のために多くの業界企業を訪れて話を聞くが、同時期に同様のテーマを扱うことで、その時々の業界の時流、もっと言えば時流の気配のようなものを感じることがある。今回で言うと、"AI"と"組織力"が私的には気になった▲生成AIや対話型AIをはじめ身近になっている人工知能技術を日々の業務に活用しようとする業界企業が出ている。社内にエンジニア部隊を持ったり、担当チームを立ち上げたりして業務効率、更には技術革新に取り組もうとしている▲その動きは会社の規模や業種に関わらず、意欲の高い会社が出てきている。誰でも使えるAI技術であるからこそ、その使い方で差別化を目指している▲一方で、組織力に関しては恒久的な課題とは言えるものの、今回は中小企業において重要視する声が聞かれた。従来型のマンパワー頼りや経営者が率先してやる手法に行き詰まりを感じる中で、組織の在り方を見直す動きが見られる▲いずれに関しても根底には人材問題が関係しているはずだ。人材確保は困難、人材の流動化は前提といった時代を生き抜くためにAIや組織力にフォーカスする動き▲そしてそれは私事についても言えること。「そのうちに」なんて悠長に言っていられない状況に来ている(T)