同社はベトナムの鋼製家具メーカーで2006年に設立。従業員数は600名ほど。同社はこの10年間で大きく成長し、工場の敷地面積は広大で作業工程によって複数の工場を構えて、素材から加工、溶接、塗装、梱包までの一貫生産を行っている。生産した家具の一部は日本など海外へも輸出しているが、そのほとんどはベトナム国内で販売している。

塗装工場は新ラインを立ち上げたことで2ライン(2工場)を有する。生産数量はひと月に約5万㎡。設備は台湾製で塗装機はGEMA製を使用している。両塗装ラインともに同じ設備構成でリン酸亜鉛皮膜処理→粉体塗装→焼付乾燥の一貫生産ラインとなっている。

塗装設備は全体をアウターブースで囲っておりその中に2ブースが並び、1ブースにつき1レシプロ3ガンを対面に設置する。それに加えてハンドガンで補正(1名)する体制(合計8ガン)となる。ラインスピードは3.0m/min。

塗装機はコロナガンを使用する。粉体塗料は回収再利用しているが、回収粉はサイクロン式で集塵するのではなく、シンプルに床面から回収し、塗料供給装置を経ずに直接塗装ガンへ供給する構造となっている。

使用する粉体塗料はメインがHAAタイプのポリエステル樹脂系で、エポキシ/ポリエステルのハイブリッド系も使用している。塗料メーカーはアクゾノーベル社80%とローカルメーカーのハイフォン塗料社20%の割合で採用している。メインのカラーはシルバーメタリック、ライトグレー、ブラック、ホワイト、イエローの5色となっている。

なお、アクゾノーベル社はベトナムの南部・ホーチミン市に隣接するドンナイ省に粉体塗料製造工場を有しており、ベトナム粉体塗料マーケットで圧倒的なシェアを占めている。

ベトナム国内でもトップ規模の粉体塗装ラインを有する同社。国内経済の急成長を追い風に売上増と設備投資を続けている。