大日本塗料は、島津製作所と「Exorapid-qIC細胞外小胞用イムノクロマトキット（CD9）」を共同開発し、7月25日から販売を開始した。
同品は、世界初の細胞外小胞（EVs）の一種であるエクソソームの検出が従来手法の5分の1となる45分と迅速かつ簡易に定量化を実現したのが特長。EVsの選定、エクソソーム検出系の最適化・評価技術を持つ島津製作所と塗料分散技術の応用展開として貴金属ナノ粒子を使用したイムノクロマト試験法の知見を持つ大日本塗料との協業により、専用装置を用いないEVs用イムノクロマトキットの開発に成功した。
細胞から分泌されるEVsのうち、直径約100nm前後の「エクソソーム」は、血液や尿などに豊富に含まれ、分泌元の細胞に由来するさまざまな情報を含むことから、バイオ研究の研究対象として注目を高めている物質。更に今後はがんの早期診断など医療、美容分野での応用が期待されているという。
これまでエクソソームの分析として、ELISA法で3～5時間、ナノトラッキング解析装置に1,000万円以上と煩雑な工程と費用を要していたが、装置を要しない同品の活用により試験時間とコストを大幅に削減。エクソソーム研究のスタートアップや簡易評価に適するとしている。
販売価格は、定価8万5,000円（税別／1キット33tests入り）。初年度は40キットの販売を目指す。
