"豊かで快適な環境づくり"をテーマとした、塗料・塗装を用いた建築物のカラープランニングオープンコンペティション「第27回グッド・ペインティング・カラー」が開催され、受賞作品が発表された。

この環境色彩コンペティションは新築、改修、一般内装、戸建改修の4部門から構成されており、今回は全応募84作品の中から、新築部門2作品、改修部門5作品、一般内装部門2作品、戸建改修部門4作品が受賞した。

新築部門の最優秀賞は「医療法人杏和会 阪南病院B棟」(所在地:大阪、受賞者代表:安井建築設計事務所・小田祐司氏)。豊かな緑や木・レンガ・テラコッタといった自然素材で建物全体を包み込み、外壁仕上はこれらと調和する有機的で優しい風合いの左官調塗装を採用した。講評では「自然素材や植栽との調和を条件としたとき、この塗装色は最善の色選択だろう」と評価した。

改修部門で最優秀賞を受賞したのは「EPIC TOWER SHINYOKOHAMA」(所在地:神奈川、受賞者代表:大成建設・西田勇人氏)。この作品は築20年のオフィスビルの大規模改修物件で、低層部の外壁は既存の大理石打ち込みPC板の上から人造石吹付塗装を施し、既存のPC板間目地を取り込んだモダンな目地デザインを展開し、高層部と調和した重厚な低層部を構築した。

講評では「大型オフィスビルではこれまで独立性を重視する傾向にあり、中低層部でも周辺景観を意識した改修はそれほど多くない」と指摘し、受賞作品の新鮮さを評価した。

一般内装部門で最優秀賞を受賞したのは「文京学院大学本郷 仁愛ホール」(所在地:東京、受賞者代表:竹中工務店・佐川誓子氏)。既存の淡い色調を継承しつつ、ベースを桜色、アクセントを藤色に設定し、温かみとやさしさに満ちた空間を演出した。講評では「外装の色彩計画では味わえない配色のパワーによって、色の持つイメージ効果が最大限発揮された」と内装ならではの可能性を評価した。

その他の受賞作品
◇新築部門:特別賞「医療複合施設i-Mall」(大阪、医療法人医誠会・谷幸治氏)
◇改修部門:優秀賞「コトーつきみ野」(神奈川、日本ペイント・佐藤純子氏)、「トミンハイム国分寺泉町」(東京、東京都住宅供給公社・鈴木啓一郎氏)
◇改修部門・特別賞「パークシティ鴻巣駅前プラザ」(埼玉、都市再生機構・濱生有子氏)、「コンフォール川崎富士見」(神奈川、都市再生機構・児平亜由子氏)
◇一般内装部門:特別賞「TK花梨ビル 階段室」(東京、東邦化成・礒部進氏)
◇戸建改修部門:優秀賞「S様邸」(千葉、茂原住宅塗装・鬼原裕之氏)、「T様邸」(愛知、TOM創屋・荒井隆亨氏)
◇戸建改修部門・特別賞「H様邸」(栃木、郡山塗装・服部公基氏)、「T様邸」(滋賀、KEIKAN・佐野湧哉氏)。