蛍光色材メーカーのシンロイヒがユニークなスプレーを発売した。豚や牛などの家畜に蛍光色でマーキングする「畜産用蛍光スプレー」だ。家畜伝染病の予防ワクチン接種済みの個体を識別する用途などで需要が出てきたことから、畜産向けの専用スプレーとして商品化した。同品をきっかけに畜舎の安全対策へ派生させるなど、畜産市場開拓のフック商品となりそうだ。

発売した「畜産用蛍光スプレー」は、豚や牛などの家畜の背中側にスプレーして個体を識別する用途で使う。発色性の高い蛍光塗料を使用しているので、非常に目立って、識別しやすい。スプレーなので簡単に塗りやすく、作業時間も短縮する。容量は300ml/本、色相は蛍光レッドと蛍光ピンクを揃えた(他色も応相談)。

同品の商品化のきっかけは、農林水産省が令和2年7月に公表した「豚熱に関する特定家畜伝染病防疫指針」の中で、ワクチン接種済みの豚に蛍光スプレーによるマーキングが義務付けられたこと。かつてまん延していた豚熱が、平成30年に26年ぶりに発生したことから農水省は同指針を策定。その中で、家畜へのワクチンの接種と接種済みの個体を識別できるようスプレーでのマーキングを指示し、より目立ちやすい蛍光色の赤とピンクを指定した。

これを受け、同社の蛍光スプレーへの引き合いが増加。自治体や畜産農家などへの納入実績も増え、評価も高かったことから改めて専用スプレーとして商品化し、発売したもの。

同社では、「ワクチン接種済みのマーキングだけでなく、さまざまな家畜の個体識別用の専用スプレーとして需要を広げていきたい」(担当者)意向だ。