空飛ぶクルマを塗膜形成力で支える
SkyDriveとサポーター契約

大阪・関西万博での飛行を目指している「空飛ぶクルマ」にオーウエルの塗膜形成力が生かされる。大手塗料商社のオーウエル(本社:大阪市、代表取締役社長:川戸康晴氏)は、「空飛ぶクルマ」や物流ドローンを開発するSkyDrive(本社:愛知県豊田市、代表取締役CEO・福澤知浩氏)とサポーター契約を締結した。空飛ぶクルマの飛行には「機体の強度を高めることと軽量化することが重要」(福澤CEO)となる中、オーウエルがこれまで培った塗膜形成力の活用が期待される。

 


SkyDrive社は2018年7月に設立、愛知県豊田市を主拠点に空飛ぶクルマ及び物流ドローンを開発している。空飛ぶクルマとは、電動化や自動化といった航空技術や垂直離着陸などの運航形態によって実現。利用しやすく持続可能な次世代の空の移動手段と期待されている。

空飛ぶクルマの開発では、2020年に日本で初めて公開有人飛行試験に成功、現在3人乗りの機体を開発中であり、来年に大阪・関西万博での運航開始を目指している。
また、空飛ぶクルマの製造パートナーであるスズキとともに、今春よりスズキグループの工場で製造開始を計画している。最大年間100機の空飛ぶクルマの製造が可能な体制が整う。

昨年より、「当社とSkyDriveは空飛ぶクルマの機体や部品への塗料・塗装に関する検討を行ってきた」(オーウエル)中で、塗装仕様や技術確立を加速させるためサポーター契約を締結。空飛ぶクルマの実用化及び量産化に向けて同社では「人的サポートに加え、これまで自動車、航空機をはじめとしたさまざまな産業で長年培ってきた塗料・塗装に関する知識や技術を基にした"塗膜形成技術"を提供する」として、塗料・塗装の全般的な知見を持つ中堅社員を出向させている。塗装のベースから構築して最適な塗膜形成を目指す。

空飛ぶクルマは飛行するとはいうものの、塗装において航空機のように規格があるわけではない。そのため機体に対する適切な強度や軽量化に寄与する塗装が求められる。その先の段階として、量産するとなると生産技術にも知見が必要となり、オーウエルの塗膜形成力の発揮が期待される。

川戸社長は「当社の"塗膜形成技術"が空飛ぶクルマの実用化~量産化に向けた課題を解決し、SkyDrive様が開発された空飛ぶクルマが人々の日常の移動に利用されている社会が来ることを楽しみにしている」と述べ、空飛ぶクルマを塗装からサポートする。

塗装の請負・加工業へ

オーウエルは成長戦略として従来の「商材提供」から「ワンストップソリューション提供」への進化を目指し、更に塗料事業においては販売業から請負・加工業へと業務拡大を図っていく方針を掲げる。その実現に向けて、核と位置付けるのがこれまで培ってきた塗膜形成力だ。

塗装工程において塗膜の成立条件には数多くのパラメータが存在するため、その条件管理を行うことで安定的な塗膜品質の確保が可能となる。オーウエルでは塗膜形成力を「塗料が塗膜になる塗装工程における課題解決力」と定義。課題とは困りごとや実現したいことであり、その際にどのような塗料や塗装系が最適かなどを追求している。

社内に塗膜形成部があり、神奈川県座間市に技術センターを持つ。そこでは塗装に関するさまざまな実験や検証、工法の開発を行う。塗装ラインの立ち上げや量産化の際には事前検証を行うことで顧客をサポートする。

塗装の請負・加工業に注力する背景として社会課題の影響が大きい。川戸社長は「最近は塗装請負のご相談を受けることが多くなってきた。背景には人手不足がある。我々が同じことをしても人手不足の問題は変わらないので、DX化を強く進めていく。例えば以前から取り組んでいる『OLDAS(塗装現場管理システム)』の確立も1つ。デジタル技術を使いながら、従来3人で作業していたのを2人でできるようにするといったように、塗装現場の省人化と高度化の実現に貢献する」として新たなソリューション提供を目指す。



川戸社長(左)とSkyDrive・福澤CEO(右).jpg
川戸社長(左)とSkyDrive・福澤CEO(右).jpg
「空飛ぶクルマ」のイメージ.jpg
「空飛ぶクルマ」のイメージ.jpg

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