フランスの化学メーカー・Calyxia(カリシア)は、マイクロカプセルを活用したビジネスを日本で開始した。昨年10月に開催された「ケミカルマテリアルJapan2023」や今年1月下旬の「第23回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」に出展するなど、国内企業へアピールを続けている。

同社は、ハーバード大学とフランス・パリの研究機関(ESPI PARIS)の研究者によって2015年に設立したスタートアップ企業。現在、農業分野、化粧品分野、先端技術分野などに対し、有効成分や添加物の封じ込め、保護、放出するカプセル化技術を展開している。塗料・コーティングや接着剤添加剤、インキ・顔料も先端材料の対象領域として顧客企業との協業を進めていく意向を示す。

同社の強みは、フルカスタマイズが可能なマイクロカプセル化技術(特許取得済み)。
水性ベースでの製造を基本としており「樹脂の制約もなく、求める樹脂をカプセル化できる」とコメント。密閉された非多孔質シェル(1nm以下)で、1~50μmのマイクロカプセルを製造できる。有効成分や添加剤の放出においては、物理的トリガー(温度、機械的ストレスなど)もしくは化学的トリガー(PHの変化、溶媒・界面活性剤への暴露など)を設計し、また長期間持続的放出を含め必要に応じたカプセル設計を可能にする。

塗料用途として想定するのは、触媒、促進剤、開始剤といった反応性材料や機能性添加剤(耐摩耗性、耐腐食性、UV吸収剤)の活用。「環境負荷を抑えながら、さまざまな機能実装ができる」とアピールする。具体的には、既存製品によるサンプル提供、もしくはカスタマイズによる共同開発を中心に対応していく方針。
 問い合わせ:www.calyxia.com、katsuhiko.kuboa@calyxia.com(日本事業担当・久保田克彦氏)