日本塗料工業会は平成29年度第1四半期(平成29年4~6月)の業種別動向観測アンケートをまとめた。

需要分野別による前年同期金額比は、建築1.1%、建築資材3.1%、道路車両・新車10.6%、道路車両・補修-2.6%、船舶・構造物2.3%、機械・電気機械・金属4.0%、木工製品-3.2%、家庭用-0.9%、トラフィックペイント3.8%となった。個人消費の冷え込みが続く中、自動車をはじめ工業分野の堅調さが目立つ結果となった。

分野別のメーカーコメントは以下の通り。

◇建築・外装

前年より回復するが本格的な回復には至らず。西高東低で関東の市場が低迷。来年からオリンピック需要が期待できるものの、その前の様子見か。

◇建築資材

低金利環境などで住宅関連需要は堅調であるが、電着は海外輸出変動の影響を受ける。窯業建材、アルミ建材が堅調に推移し、下支えする。

◇新車

国内販売台数は低調も生産台数は昨年同時期の熊本震災影響の反動もあり増加。欧米など成長率の鈍化があるが新興国需要拡大と新技術導入で成長継続に期待。

◇補修

事故率低下、保険料率改定等の影響により市場は前年より縮小。低調傾向に歯止めが効かず。大型車の架装分野需要は引き続き堅調。

◇船舶

新造・修繕とも期初は低調だったが、後半回復し前期比増。

◇構造物

民間は首都圏の再開発需要堅調ながら、新設プラント向けは一旦落ち着く。

◇機械・電気機械・金属製品

建機は排ガス規制前駆け込み特需や中国市場回復で好調。工作機械は国内外需要低調。電気機器は概ね前年並みで、金属製品は業種で異なるが全体微増。

◇木工製品

住宅関連は堅調に推移するが、木製家具関連は低調。厳しい状況が続く。塗装に替わる工法としてシート貼り仕様が多くなってきた。先行き不透明。

◇家庭用

4月は前年の熊本地震による需要増の反動減などで落ち込み。GW以降、需要は前年並みに回復。底堅く推移する見通し。女性層向け商品は好調。

◇トラフィックペイント

舗装工事が動き出し例年に戻りつつある。横断歩道塗り替え工事物件が発注時期になるため、地方を含め今後増えてくると思われる。

◇全体

塗料大幅増加の業種・市場がなく低調傾向ではあるが、全体的には横ばい推移の見通し。震災復興や2020年東京五輪、自動車市場新技術導入による成長に期待。