販売店組合、青年部設立へ
交流会に81名の若手経営者が集結

日本塗料商業組合は11日、来年度に予定している青年部設立に向け「全国青年次世代交流会」を東京塗料会館で開催した。若手経営者同士の交流の場を設けることで、塗料販売業及び組合運営の活性化を図るのが狙い。具体的な活動内容については、来春に開催される設立総会での決議となるが、青年部準備委員会の清元秀委員長(フジミ社長=神奈川)は「同業のさまざまな取り組みを共有することで、社業の発展につなげてほしい」と同業交流の意義を訴え、青年部への参画を求めた。


冒頭のあいさつに立った海老名孝理事長、清委員長が口を揃えたのが、81名の出席者が集まったことに対する驚き。清氏は「当初は50名を目標にしていたが、30名程度にとどまりそうだった」と、想定をはるかに上回る参加に「嬉しさと同時に期待の大きさに怖さも感じている」と率直な心情を吐露した。

事前に、各地区で青年部設立の趣旨説明を兼ねた意見交換会を行ったとはいえ、北海道から沖縄まで全国の同業者が集まったことは、次世代経営者にとって同業交流が潜在的なニーズであったことを浮き彫りにした。

この日集まったのは30代から50代の経営者、後継者、会社を代表して送り出された幹部社員などの面々。所属する地域組合と疎遠になっている社店も多く、「青年」「全国」のコンセプトが参加のハードルを下げたことは想像に難くない。またカラーワークス・秋山秀樹社長の「塗料販売からカラービジネスへ」と題した講演も集客を後押しした。

趣旨説明で概要案として示したのは、「日本塗料商業組合青年部」を正式名称に入会資格は組合に加盟する若手経営者、後継者及びそれに準じるものとし、支部に青年部の有無を問わず加入を可能にするというもの。年齢については、初年度となる平成29年度は満60歳とし、以後会員の増加を見て、将来的には満50歳を卒業とする案を示した。

活動内容は、年間事業計画に基づき①交流連携事業②自己研鑽・親睦事業③研修事業に加え年2回程度の全体活動及び分科会の開催を検討。また会への帰属意識を高めるため、各社店に負担にならない額で年会費を設ける。当面は来年(5月及び6月を予定)の設立総会に向け、各ブロック、地区において参画を求める説明会を行うとしている。

清氏は「同じ塗料販売といっても、店売り、インターネット販売、塗装教室、塗装工事、色彩ビジネス、海外展開、新卒採用、複数の販売店連携による共同販売事業など、さまざまな取り組みや工夫をされている。皆様の取り組みや可能性を青年部を通じ、社業に役立てて頂きたい」と、経営課題の共有化が業界全体の発展に寄与するとのビジョンを示した。

その後行われた懇親会でも参加者の熱気は高まる一方。参加者からは「普段、地元の経営者同士の交流はあるが、全国で同じ塗料を販売している方々と会えたことは嬉しい」との感想も。若い感性が同業交流(組合)の新たな魅力を感じ始めている。

「若い力で未来を描け」
日塗商 海老名孝理事長

今、業界の一線で活躍している若い方々は、まさしく失われた20年の間に職を得て、苦労してきた人達だと思います。高度経済成長もバブルも知らないことは、ある意味幸福であり不幸であると思いますが、我々から見ると人に言われる前に仕事を勤勉にこなす能力を持ち、これから先のビジョンを自ら描き、実現する、そういう手段、力を自ずと体得していると思います。

我々の年代は、普通の会社であればとうに定年を迎えていますが、もう一度若い方と真摯に向き合い、意見を交換して、業界の在り方を考えていたい。平成33年に迎える設立70周年には、今までの業界、実績を作った諸先輩、若い人達とともに過去を思い、未来へつながる塗料販売業にする節目にしたいと思います。

「叡智、情熱、勇気の結集を」
青年部準備委員会 清元秀委員長

何かが動き始めるとき、若い力が結集するものだと感じています。全国にいろいろな青年団体かありますが、同業者が集う全国無二の塗料販売店ネットワークだからこそできる青年活動を通じ、皆様の叡智と情熱と勇気を結集し、価値ある青年部を作り上げていきたいと思います。



海老名孝理事長
海老名孝理事長
清元秀委員長
清元秀委員長

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