三井化学産資は今春、木材保護塗料「ノンロットシリーズ」の新製品となる「ノンロット ブルーノ(NONROT BRUNO)」を投入した。これまで油性浸透タイプで展開を図ってきた同社にとって新領域の製品。塗り替え市場を深掘りしたいとの狙いがある。
同品は、造膜タイプの水性屋外木部用塗料で、耐候性、美観性、作業性にこだわった製品。防腐、防カビ、防虫効果を保持し、木部塗り替えの長期美観の保持を目的に開発した。
水性造膜系タイプの製品としては、後発となったが、同社が差別化として見出したのは、劣化木部の美観復元と耐久性の確保。
新築時の美観を維持するためには、数年おきの塗り替えを理想としているが、実際には塗り替えの必要性を認知されず、そのまま放置されている建物が多く残されている。
そこで同社は、塗料設計から見直し、膜厚を市場に流入する半造膜タイプよりも厚みを持たせることで、劣化木部や古材に対する隠ぺい力を確保。刷毛が滑らかに運ぶ作業性を保持しつつ、従来にない耐候性を実現した。標準塗装仕様は下地処理後、同品の2回塗り仕上げ。乾燥時間は1~2時間。
これにより油性浸透タイプの「ノンロット205N Zカラー」「同 Sカラー」(高着色タイプ)、「同屋外白木用」(透明タイプ)を加え、屋外木部の塗装仕様の選択肢を広げた形。「当社としては木造建築物を美しく長く持たせることに注力していきたい」と、早くも次の製品開発を見据えている。
HOME建築物 / インフラ木部用(木材保護)塗料特集2019木部用(木材保護)塗料特集2019各社動向"古材"に特化、水性造膜タイプ投入